WICS
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WICS(Integer Interpreter Compiler System)は、MZ-80K及びMZ-80Bシリーズ用の整数型プログラミング言語。開発者はキャリーラボ(当時)の佐々木哲哉と山本耕司。 工学社のI/O誌1981年9月号より連載記事の形で発表され、同じくキャリーラボから発売されたアセンブラ言語BASE-80によるソースコードが公開された。
WICSはBASICに極力似せた表記方法を採用した、インタープリタ兼コンパイラ型高級言語である。 処理速度とRAM領域が限られた8ビットパソコンで、容易に高速なアプリケーション、特にゲームを作成する目的で開発された。 BASIC言語から実数演算と文字列処理の機能を除き、代わりにメモリ操作やビット操作、画面表示関係などの命令が追加されている。 変数及び定数は16ビット範囲の10進整数または16進数、及び1文字分の8ビット文字コードのみが許可されている。 配列はBASICと異なり、メモリ領域をアドレスで指定して確保する仕様となっている。
BASICに似た文法構造のため、BASIC使用者にとっては修得が容易であった。 それまでMZ-80シリーズのゲーム開発で人気があった、ハドソン製のFORM(整数型Tiny FORTRAN)に代わり、ゲーム開発用言語として一定の人気を博した。 開発元のキャリーラボだけではなく、他社からもWICSで開発されたゲームが複数タイトル発売されていた。