かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄
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ジャンル | サウンドノベル |
対応機種 | プレイステーション2 プレイステーション・ポータブル |
開発元 | チュンソフト |
発売元 | [PS2]チュンソフト [PSP]セガ |
人数 | 1 |
メディア | [PS2]DVD-ROM1枚 [PSP]UMD |
発売日 | [PS2]2002年7月18日 [PSP]2006年5月25日 |
売上本数 | 30万本 |
その他 | 初回限定版としてTVドラマ本編などが収録されたプレミアムDVD、 真理の携帯ストラップ、マウスパッドが付属するスペシャルBOXが発売。 |
かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄(かまいたちのよる2 かんごくじまのわらべうた)は、チュンソフトから発売されたゲームソフト。2002年7月18日にプレイステーション2用のアドベンチャーゲームとして発売された。
チュンソフトのサウンドノベル第4弾。前作『かまいたちの夜』を劇中劇のような位置づけとしている。
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[編集] 作品解説
脚本は前作に引き続き我孫子武丸(脚本執筆はサブシナリオ「わらび唄編」「ラブテスター編」のみ。脚本監修をメインとしていた。)、それに加え牧野修(サイキック編・陰陽編・洞窟探検編・惨殺編など)、田中啓文(わらべ唄編・底蟲村編など)。総監督は落合信也。ゲーム中流れる音楽の7、8割は前作の音楽のアレンジだが、新規の音楽は東儀秀樹、パッパラー河合、羽毛田丈史が担当。美術監督は種田陽平。また、テレビ局であるTBSとタイアップを行って2時間テレビドラマ『かまいたちの夜』(内容はゲームと直接関係無し)を7月3日に放送し、本作の初回限定版スペシャルBOX同梱のDVDビデオにドラマの全編を収録している。
最初にプレイする殺人事件が題材の「わらべ唄篇」の正規エンディングを見ると「底蟲村篇」、「陰陽篇」、「サイキック篇」が追加。それらのエンディングを見ると前作に引き続きピンクのしおりが出現し、「ぼくの青春篇」、「ぼくの恋愛篇」、「官能篇」、「わらび唄篇」が追加。その後黒のしおりが出現し「妄想篇」、「洞窟探検篇」、「惨殺篇」が追加される。
前作同様どのシナリオをプレイするかで各キャラクターの設定は大幅に異なり、サイキック篇では真理の視点で物語が進むことになる。
最初のわらべ唄篇を筆頭に前作の話を下敷きにしている話が少なくないが、予備知識なしでも楽しめる。但し、その後出てくる話の中にはパロディとなっていて前作のあらすじを知らないと意味不明なシナリオもある。妄想篇は特に前作との繋がりが深く、前作をプレイしていないと意味が全く分からない可能性があるので注意が必要である。
前作と同じく多シナリオ形式を採用してはいるが、シナリオ間にゆるい関連性や設定の共有などが見られ、全体像としては前作とは若干異なる作りであるといえよう。また「惨殺篇」「陰陽篇」は非常に暴力描写が激しく、「官能篇」は性的描写がシルエットでも分かるくらい鮮明である。
波の表現に使われたループムービーはアニメーションではおなじみの手法だが、実写映像によるものは目新しかったし、つなぎ目を意識させない合成は雑誌『ファミ通』、TV番組『ゲームWAVE』等で紹介され評価された。
CDドラマかまいたちの夜2 オリジナルストーリー・ドラマCDが発売されている。
[編集] 前作と比較しての評価
ハードの性能が向上したことで、グラフィックレベルの向上が期待され、実際に高品質な画像をプレイヤーに披露してくれた。
サウンドノベルというゲーム上、一番重要とされるシナリオに関しては、行動のほとんどがペンション内部にとどまった、所謂『箱庭型ドラマ』だった前作に比べると、行動範囲が広がった分、一場面での密度が低いと言う指摘もあった。
密室サスペンスを主とおいた前作から、民間伝承と猟奇殺人、そして俗に言う電波系で構成されて人を選ぶシナリオになっている。
シナリオの結末は、前作では「犯人を解明し事件を解決する」「悪霊を成仏させる」というゲームをプレイする上での「敵を倒す」というカタルシスに直結するエンドだったのに対し、2では「犯人を解明するも自決させてしまう」「ヒロインが人類の敵であることが判明する」といった「真実が判明する」ということを決着にしているために後味の良い結末がほとんどない。
前作の醍醐味であったプレイヤー自ら選択肢を選び名前入力で犯人を指摘するタイミングが前作では3度あり、SFC版では1度目と2度目に犯人当てに成功すればトゥルーエンドになった。 それに対し2では実質2度になり1度目は当てても犯人の動機、トリックは解明されず事件のみ解決になりトゥルーエンドにならない。 そのためプレイヤーが早く真実に気づくことにより事件を早期解決し被害者を減らせるというゲーム性がなくなった。 そして、二度目は犯人を当てるまで名前を何回でも入れられるためにゲームの難易度が下がった。
現実に存在するペンションをほぼそのまま舞台とした前作と比べ、実写とCGを取り合わせて創造した無人島が舞台となる本作では、臨場感の点において引けをとる、との意見もある。
多くのクリエイターによる合作は、話題にはなったが、「脚本は我孫子氏が続けるべきだった」との声も多い。
本編からいきなり意味不明でお馬鹿すぎる展開やバットエンド等も存在する為に脱力感覚えたプレイヤーも沢山いた。
登場人物の名前以外にほとんど前作との共通点が見出せなかった事も、評価しないプレイヤーがいる一因だろう。
[編集] 登場人物
- 矢島透(やじま とおる)
- 主人公。21歳の大学生。普段は冴えないが、いざという時に鋭い推理力を発揮する。真理とは友人以上恋人未満?の間柄。
- 小林真理(こばやし まり)
- 透のガールフレンド(文字通りの女友達)。才色兼備で、スタイルも抜群。論理的だが少し気が強い。透とは恋人よりも「良いコンビ」。
- 小林二郎(こばやし じろう)
- 真理の叔父。45歳。長野で妻の今日子と一緒に「シュプール」というペンションを営む。料理の腕は超一流。招待された訳ではなく、勝手に真理についてきた。趣味は釣り。
- 久保田俊夫(くぼた としお)
- 「シュプール」の元アルバイター。スキーを初め、スポーツが大好き。思いやりがあり、行動力もある。
- 久保田みどり(くぼた みどり)
- 「シュプール」で俊夫と共に働いていた。ポニーテールで、スポーティーな外見。明るく快活な性格。年齢不詳。
- 渡瀬可奈子(わたせ かなこ)
- 19歳のOL。美人だが、キツい性格。啓子とは同僚で、親友。
- 北野啓子(きたの けいこ)
- 可奈子の同僚。食欲旺盛のぽっちゃり体型。可奈子とは正反対のおっとりした性格だが、不思議と馬が合うらしい。
- 美樹本洋介(みきもと ようすけ)
- 32歳のフリーカメラマン。髭を生やすなどワイルドな風貌。
- 香山誠一(かやま せいいち)
- 大阪の不動産会社社長。55歳。金儲けの話には目が無い。小林二郎の恩人でもある。
- 香山夏美(かやま なつみ)
- 香山誠一の後妻。茶髪と濃い化粧でかなり派手。関西弁が特徴。勝気でさっぱりとした性格。顔に似合わず博識。
- 正岡慎太郎(まさおか しんたろう)
- ゲームプロデューサー。31歳。かなりの女好きで、女性に対して馴れ馴れしく接する。
- 村上つとむ(むらかみ つとむ)
- 自称「大物作曲家」。41歳。プライドが高く、沸点が低い。事あるごとに大声を出す傾向にある。
- 菱田キヨ(ひしだ きよ)
- 三日月館の管理を任された老婆。年のせいか、物静かで気弱。
- 我孫子武丸(あびこ たけまる)
- 招待主。しかし姿は見せず、どんな人物かは不明。
- 河村亜希(かわむら あき)
- 前作で加奈子と啓子の同僚として登場したが、本作では意外な形で登場する。
[編集] スタッフ
[編集] 移植作品
セガ×チュンプロジェクトの一環として、プレイステーション・ポータブルにて『サウンドノベル・ポータブル かまいたちの夜2 特別篇』が2006年5月25日に移植発売されている。
また、プレイステーション2の『かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相』にも、メインストーリー部分のみ「監獄島のわらべ唄編」として収録されている。なおその際、時勢の違いを受け、一部のシーンで台詞回しが変更されている。
[編集] 移植に伴う変更点
[編集] プレイステーション・ポータブル版
- PSPの画面サイズに特化し、縦横比を4:3から16:9へ変更。
- サウンドを再構成し、一部を疑似サラウンド化。
- サウンドドラマ「ちょっとエッチなかまいたちの夜2」をUMD内に収録。
- ハードの違いにより「ラブテスター編」はPSP版には未収録。
- 過剰な暴力描写や官能描写の削除。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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