アップクォーク
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アップクォークは +2/3 の電荷を持つ、第一世代のクォークである。アップクォークは最も軽いクォークであり、裸の質量は 1.5~4 MeV。素粒子物理学における標準モデルでは、アップクォークとダウンクォークが核子の構成要素となっている。すなわち、陽子はアップクォーク2個とダウンクォーク1個、中性子はアップクォーク1個とダウンクォーク2個で構成されている。(注:核子の質量の大部分はクォークを結合しているグルーオン場のエネルギーに由来しており、クォークの質量そのものではない)
クォークの存在はゲルマンとツワイクが1964年にクォークモデルを提唱した時に予言され、最初の証拠は1967年に SLAC の深非弾性散乱実験で確認された。
[編集] アップクォークからなるハドロン
- 正パイ中間子(π+)はアップクォークと反ダウンクォークからなるメソンである。負パイ中間子(π-)は反アップクォークとダウンクォークからなる。正および負ロー中間子(ρ±)も同様。
- 中性パイ中間子(π0)はアップクォーク-反アップクォークとダウンクォーク-反ダウンクォークが線形結合したメソン。中性ロー中間子(ρ0)やオメガ中間子(ω)も同様。
- イータ中間子(η)及びイータプライム中間子(η')はアップ-反アップ、ダウン-反ダウン、ストレンジ-反ストレンジの線形結合を持つ。
- これまでに発見されたバリオンの多くは1個以上のアップクォークを含んでいる。特にデルタ粒子(Δ)はアップクォークとダウンクォークのみで構成される点で核子と似ている。
[編集] 関連項目
2006/11/19 22:51 UTC 英語版より翻訳。著者 SCZenz ほか。