アンヒューマ
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?アンフューマ | ||||||||||||||
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フタユビアンフューマ |
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分類 | ||||||||||||||
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種 | ||||||||||||||
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アンフューマ Amphiuma は極めて小さな四肢を持ったウナギのような外見の、有尾目に属する水生両生類である。アメリカ合衆国東南部の低地に分布する。現地ではコンゴイールまたはコンゴスネークという分類上も分布上も誤った異名でも呼ばれるが、これは Conger(アナゴ)の転化である。水溜りのような小さな池や細い溝などにも生息しているのでDitch eel(ドブウナギ)とも呼ばれている。
白亜紀後期からすでに化石が発見されており、北米全土やヨーロッパにも分布していた。しかし更新世にはすでに現在と同程度にまで分布域を狭めていた。
外見がよく似ているサイレンと混同されることも多いが、系統上はサイレンよりは他の有尾類の方が近い。
[編集] 特徴
ウナギ状の細長い体を持ち、最大1mを超えるがそのサイズの個体でも四肢はわずか2cmほどである。指の数は1-3本。まぶたは無い。基本的に水生だが、湿度の高い時期や産卵期には地上に上ることも有る。
外鰓の有る幼生期を過ごす。成体になると外鰓は消失するが1対の鰓裂は残る。肺も有する。
水が干上がると、繭を作って夏眠をすることができる。
脊椎動物中最も大きな赤血球をもつ。
[編集] 産卵
一般的な有尾類とは逆にメスがオスに求愛する。繁殖期には水中で複数のメスがオスに鼻先をすりつけ、オスがそのうちの1匹に体を巻きつけて総排泄孔の中に直接精包を渡す。体内受精である。
メスは水辺に近い陸上で、穴の中や、倒木や石の陰に隠れた泥の上に100個以上の数珠繋ぎになった卵を産む。メスは孵化するまで数ヶ月にわたり卵を守る。
[編集] 下位分類
現存するのは1属3種のみ。指の数で見分けがつく。
- ミツユビアンフューマ A.tridactylum - 指が3本。この種のみ総排泄孔の形状で雌雄の区別がつけられる。
- フタユビアンフューマ A.means - 指が2本。
- ヒトユビアンフューマ A.pholeter - 指が1本。この種のみ最大30cmほどにしかならない。