イクター
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イクター(イクター制)は地方官に与えられた給与制度の一種で徴税権を地方官に委任するという形式のもの。
[編集] 概要
アター制で行き詰まりを見せたアッバース朝は地方官に対する給与を徴税権を与えその税の中から一定率の金額を与えるという形式で与えることにした。これによって地方官はアッバース朝の中央集権支配から脱することが出来るようになり、徐々に力をつけて言った。
[編集] イクター制で力をつけていった地方官が建てた王朝
- サーマーン朝(873年~999年)
- イラン系イスラム王朝。トランスオクシアナ地方全域の徴税権及び後に支配権をアッバース朝より与えられる。
- ハムダーン朝(890年~1004年)
- アラブ系イスラム王朝。遊牧民の長ハムダーン家がジャズィーラ地方に建国。アッバース朝の実権を最初に簒奪した王朝。
- ブワイフ朝(932年~1062年)
- イラン系イスラム王朝。バグダードに入城し、カリフよりイラン地方の支配の正統性を認められた。大アミールという称号を与えられ、後にアッバース朝カリフを傀儡にする。ハムダーン朝と長期にわたり抗争を繰り返したがハムダーン朝衰退によって完全に実権を掌握する。
- ゴール朝(11世紀初~1215年)
- トルコ系イスラム王朝。当初の称号はアミールであったが、後にスルタンと改称する。ハールーン・アッ=ラシードによってゴール地方の領主に任命されたのが始まりとされているが、王朝としての開始は11世紀ごろである。勢力が徐々に強大化し、勢力拡大方向を西のバグダード方面ではなくインド方面の東に設定した。1191年に北インド全域を支配。