イソガニ
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イソガニ | ||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Hemigrapsus sanguineus | ||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||
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イソガニ(磯蟹・学名Hemigrapsus sanguineus)は、エビ目・カニ下目・イワガニ科に分類されるカニ。和名のとおり岩礁海岸でよく見られるカニである。
甲幅は3cmほどで、甲羅の表面はつやがあり、黄土色と紫色のまだら模様がある。鋏脚は左右が同じ大きさで、特にオスの鋏脚は大きく発達する。歩脚はがっしりしていて、黄土色と紫色のしま模様がある。近縁種のヒライソガニとはちがい、個体間で大きな模様の変異はない。
北海道以南から東南アジア、オーストラリアまでの西太平洋に分布し、水のきれいな岩礁海岸に生息する。潮間帯や潮下帯の岩石のすき間や石の下にひそんでいて、タイドプールなどでもよく見かけられる。水中の石をひっくり返すとすばやく走って逃げる。
食性は雑食性で、海藻、小魚、ゴカイ、貝類など、いろいろなものを食べる。いっぽう敵は鳥類やクロダイ、タコなどである。
外洋に面した岩礁海岸に生息していて個体数も多いので、磯遊びなどをするとイワガニやオウギガニなどと並んで目にする機会が多いカニである。
[編集] 近縁種
「イソガニ」と名のついたカニは他にもいる。内湾や汚染の進んだ岩礁ではイソガニは少なく、近縁種のヒライソガニやケフサイソガニが多い。
ヒライソガニ Gaetice depressus
- 甲幅は2.5cmほどで、イソガニよりもやや小型で、和名のとおり甲羅が平たい。オスの鋏脚は指の間にすき間があり、外側に橙色を帯びる。イソガニとちがって潮間帯に多く生息し、潮が引いた所の石をひっくり返すとよく見つかる。また、イソガニとちがって白、褐色、紫色など、個体間で体色や模様が非常に変異に富んでいるのも特徴である。2003年にはパンダの顔に似た模様のヒライソガニが見つかって鳥羽水族館に持ち込まれ、話題をよんだ。
ケフサイソガニ Hemigrapsus penicillatus