ウィスパード
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ウィスパードは、賀東招二の小説『フルメタル・パニック!』に登場する、特殊能力。
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[編集] 概要
小説本編では「ささやかれた者」と書きその上に小さく「ウィスパード」とルビをふっている。知っているはずの無いことを知っていて、場合によってはそれを引き出すことのできる人間。
全世界で覚醒している人間で数人、潜在的には数十人しか存在しない。『存在しない技術』ブラックテクノロジーの宝庫と言われ、条件がそろえば現代の水準をはるかに越えた科学理論や技術を提供することができる。そのため、各国が血眼になって探している存在であり、そこにはアマルガムも関与しているといわれる。
ウィスパードとして生まれて来ても、通常はその力に気がつくことなく育っていく。成長するにつれて、精神が成熟し、知識や語彙が増えてくると、次第にささやき声が聞こえてくるようになる。これが始まると、ウィスパードの知性は急激に高まっていく。これまで理解できなかった問題を軽々とこなし、独創的なアイディアを生み出し、天才に近づいていく(テッサやレナードのように、子供の頃から天才並の知能を有しているケースもある)。
各ウィスパード間でも個体差が存在するようで、潜水艦技術にしか力を発揮できない個体(テッサが当てはまる)や、ラムダ・ドライバやAS等に関連した技術に強い個体(かなめやバニ、レナードなどが当てはまる)などが存在する。
なお、現在判明しているウィスパードの内、3名の誕生日が12月24日であり、詳細こそ不明なものの、何らかの関連性を匂わせている。
[編集] 共振
ウィスパード同士でいくつかの条件がそろうと「共振」という現象が発生する。
精神の深い部分、目には見えない「領域」スフィアと呼ばれる場所で、思考を共有することができる。ウィスパード同士が、互いに必要だと強く感じた結果発生する、パソコンのLANのような関係。
ただし、思考を共有すると、互いの人格が溶け合ってしまうため、共振は可能な限り避けなければならない。
[編集] ウィスパード該当者
- 千鳥かなめ
- テレサ・テスタロッサ
- レナード・テスタロッサ (オムニ・スフィアに到達)
- バニ・モラウタ(作中で他界)
- ミラ
『燃えるワン・マン・フォース』に登場したナミというキャラクターもまた、上記5名と同様にウィスパードではないかと思わせる描写があった。また短編集『極北からの声』に収録されている「トゥアハー・デ・ダナン号の誕生」において、まだ言葉も満足に話せない年齢にもかかわらず、クレヨンで形状記憶プラスティックや特殊なチタン合金、まったく新しいコンピューターの基本モデルについて書いたというアラスカの子供の存在が語られているが、どちらも詳細は不明である。