ウィルオウィスプ
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ウィルオウィスプ(Will o' the wisp、ウィル・オ・ザ・ウィスプ)は、世界各地に存在する、鬼火伝承の名の1つ。その名は「一掴みの藁のウィリアム」の意。墓場などに出没し、近くを通る旅人を危険な道へと誘うとされる。
その正体は死後の国へ向かわずに現世を彷徨い続けるウィル(ウィリアム)という名の男の魂だという。生前は極悪人で、遺恨により殺された後、霊界で聖ペテロに地獄行きを言い渡されそうになった所を、言葉巧みに彼を説得し、再び人間界に生まれ変わる。しかし、第二の人生もウィルは悪行三昧で、また死んだとき死者の門で、聖ペテロに「お前はもはや天国へ行くことも、地獄へ行くこともまかり通らん」と煉獄の中を漂うことになる。それを見て哀れんだ悪魔が、地獄の劫火から、轟々と燃える石炭を一つ、ウィルに明かりとして渡した。この時にウィルは、この石炭の燃えさしを手に入れる。 そして、その石炭の光は人々に鬼火として恐れられるようになった。