ウエイトトレーニング
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ウエイトトレーニング(英:weight training)は、バーベル、ダンベル、マシンまたは自重などを使い筋肉に負荷をかけ体を鍛えるトレーニング。主に筋力の向上を目的とするトレーニングの総称。
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[編集] 近代スポーツに不可欠な存在
近代スポーツ競技において、ウエイトトレーニングは非常に重要なものとされている。ウェイトトレーニングによって培われた筋力が無ければ、オリンピックをはじめとする国際大会において好成績を収める事は不可能とされ、各競技の選手も重要なトレーニングとして取り組んでいる。 近年スポーツ界において問題とされている、ステロイド等の筋肉増強剤を使用したドーピング違反者の急増問題も、より強い筋力を得る事を望む選手達が多い事の証明と言える。
[編集] 科学的根拠の無い偏見
つい最近まで、一部のスポーツ指導者の間でウエイトトレーニングに対し否定的な意見を持つ者が存在した。彼等の意見を総合すると、以下のようなものがある。
- ウエイトトレーニングでつくられた筋肉は実際の競技では役に立たない(目に見えて上達がわかるため、選手が技術練習よりも優先してしまうケースが多い為) (※これは選手個人の練習方法の選択の問題であり、ウェイトトレーニングのせいではない)
- 筋肉の柔軟性が失われる(MAX時、激しい筋肉痛が起こるので、ストレッチが難しい為) (※トレーニング強度を調整したり、しばらく時間を置いてからストレッチを実施する方法がある)
- 身体の抗体能力が落ち、病気になりやすい(練習後、著しく体力が低下する為) (※練習後に著しく体力が低下するのは何もウェイトトレーニングに限った事では無い。サプリメントを摂取し休息期間を設ける事で速やかな回復を促すよう努める)
- 無意味な体重増加を招き、膝などの関節を痛めやすくなる(ウェイトトレーニングは主にアウターマッスルを鍛えるため、インナーの筋力が増加した体重を支えきれなくなる為) (※インナーマッスルを鍛える種目も存在するので、それを実施しバランスの取れた筋量アップを心がける)
- 持久力が衰え、バテやすくなる(体重が増加する為) (※持久力を必要とする種目の選手が、補助としてウェイトトレーニングを実施する程度では、持久力に影響を及ぼすほど筋量を増やす事は難しいと思われる)
これらについては、()内のような根拠(誤解)が挙げられるわけだが、※後に述べるように全て選手やトレーナーがトレーニング理論や運動生理学を理解し、正しいトレーニングを行えば、なんら問題はない。
[編集] 日本スポーツ界におけるウエイトトレーニング
世界中のスポーツ関係者がウェイトトレーニングを重要視しているにもかかわらず、日本スポーツ界では未だにこのトレーニングの重要性を理解していない指導者が多く、根強い偏見が残っている。 筋肉アレルギーとも言える程の筋肉質な身体に対する偏見は、体格的に外国人に劣る事に対してのコンプレックスの裏返しと思われるが、このウエイトトレーニング軽視の姿勢がスポーツの国際大会における日本人選手の成績低迷の原因の一つになったと思われる。 しかし、生来の体格が外国人に対して劣るのであれば、逆にウエイトトレーニングは重要な意味を持つ事になる。ウエイトトレーニングを実施する事によって、筋力・体格の差を少しでも埋めることで、外人選手と対等に戦える日本人選手が育成できるのである。一方で、日本でも先進的な考えを持った選手・指導者が増えてきた事も事実で、積極的にウエイトトレーニングを取り入れている者も少なくない。
[編集] ウェイトトレーニングの原則
[編集] 漸進性過負荷の原則
筋肉は強い負荷を与えるとそれに適応しようとする。例えば10kgのダンベルを10回上げ下げできる人が12kgのダンベルでトレーニングすると、筋肉はそれに対応し、やがて12kgを10回上げ下げできるようになる。
[編集] 継続性の原則
トレーニングは継続しなければ効果がない。トレーニングを辞めてしまうと筋肉は次第に衰える。
[編集] 特異性の原則
筋肉は、その動きの早さや動かした角度、力発揮の仕方など、実際にトレーニングした様式に合わせて特異的に成長する。
[編集] 個別性の原則
人それぞれ個性があり、ある人には効果があるトレーニングでも他の人にも効果があるとは限らない。一人ひとり、個性に合ったプログラムを選択する必要がある。
[編集] 意識性の原則
トレーニング効果を高めるには、筋肉に対してどういう風に動いて欲しいかを意識する事が重要。
[編集] 超回復
筋肉は強い負荷を受けると筋繊維に小さな傷を受け一旦筋力が衰えるが、48時間~96時間後にはトレーニングする前よりも筋力がアップする。これを超回復という。基本的に小さい筋肉ほど超回復にかかる時間が短い。
[編集] 関連項目
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