ウォーターシップダウンのうさぎたち
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ウォーターシップダウンのうさぎたち(Watership Down)は、イギリスのリチャード・アダムスによる児童文学である。1973年にカーネギー賞とガーディアン賞をダブル受賞した。
1979年にアニメ映画化された。また1998年にテレビアニメ化され、日本ではカートゥーン ネットワークなどで放送されている。
目次 |
[編集] 概要
野うさぎを主人公に描いた児童文学作品で、リチャード・アダムスの処女作である。タイトルはイギリスのハンプシャー州の北部にある丘の名前にちなんだもので、アダムス自身が育った場所でもある。この物語は、もともとはアダムスが、田舎旅行の間自分の子供たちに話して聞かせた物語をまとめたものであり、原稿は13の出版社から断られるも、1972年にレックス・コリンズ社から出版された。
この物語のウサギたちは典型的な架空の動物物語に比べると、面白いことにあまり擬人化されておらず、習性や身体的能力は現実のうさぎに近い。しかし、それとは反対に精神的な面においては、彼らは高い知性を持ち、独特の言語やことわざ、さらには詩歌や神話といった高度な文化まで持つ存在として描かれている。いくつかの出版社のバージョンにはウサギ語の用語集が付録としてつけられている。イソップ童話のような動物のお話とは全く種類の異なった生粋の英雄物語のような味わいをもったファンタジーといっても良いだろう。
[編集] 登場キャラクター
併記した声優はテレビアニメ版の日本語吹き替えキャストである。
[編集] サンドルフォード
- ヘイズル(声:川島得愛)
- 一行の長。ファイバーの言葉を信じ、仲間を引き連れサンドルフォードを去る。
- ファイバー(声:宮田幸季)
- 危険を察知する能力のあるウサギ。5つ子のうちの末っ子。
- ピプキン(フラオ)
- 体も小さく臆病なウサギ。ヘイズルには忠実。
- バックソーン
- 力強くたくましい雄ウサギ。
- ホークビット
- ヘイズル曰く頭の少し弱いウサギ。
- ダンディライアン
- 話上手なウサギ。仲間から話をせがまれることもしばしば。
- ブラックベリ
- 知恵者。一行は彼の知恵のおかげでいくども危機を逃れる。
- スピードウェル
- ブラックベリが連れてきたウサギ。
- エイコン
- ブラックベリが連れてきたウサギ。
- ピグウィグ(声:中田譲治)
- サンドルフォードのアウスラ。力は強いが直情的。
- シルバー
- サンドルフォードのアウスラ。スリアラーの甥。
- トードフリックス
- サンドルフォードのアウスラ。下のものには尊大にふるまう。
- ホリー
- サンドルフォードのアウスラの頭。
- ブルーベリー
- ホリーの忠実なる道化師。
- スリアラー
- サンドルフォードの長。冷静かつ思慮深く、また時に冷酷でもある。
[編集] カウスリップの村
- カウスリップ
- ヘイズル達を自らの村へ招待したウサギ。
- シルバーウィード
- カウスリップの村の詩人。
- ストローベリー
- カウスリップの村の住人。
- ニルドロ=ハイン
- ストローベリーの妻。
[編集] エフラファの村
- ウーンドウォート将軍
- エフラファの村の長ウサギ。長老会とアウスラ団を率い、強力な支配体制を敷く。
[編集] 神話
- エル・アライラー
- ウサギ族の英雄。ウサギ族の繁栄のために知略を尽くす。
- フリス
- ウサギ族の神話における創世神。
- 虹の王子
- フリスに大地と大空を支配する権限を与えられた存在。エル・アライラーと何度か争う。
- インレの黒ウサギ
- ウサギ族にとっての死の象徴。
[編集] トリビア
- この作品の一部のキャラクター達の名前は、機動戦士Zガンダムの外伝『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』にテスト小隊の隊長ウェス・マーフィーがウサギ好きであるということから、登場するテストモビルスーツのペットネームとして用いられている。ヘイズルやファイバー、ダンディライアン、キハール、アウスラ、ビグウィグ、ウーンドウォートなどがそれである。
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