エッソ
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エッソ(Esso)は、エクソンモービルおよびその関連会社によって使用される商標名。イースタン・ステーツ・スタンダード・オイル Eastern States Standard Oil の略。
エッソの商標はアメリカ合衆国以外の国では現在も使用されている。カナダに於いてエッソはインペリアル・オイル配下のガソリンスタンドで使用される。スタンダード・オイルおよびその後継の会社が、アメリカ合衆国を始めとする諸国でエクソンに商標を変更したとき、カナダではそれがエッソのまま継続された。
「エッソ」はスタンダード・オイルを意味する「S」「O」の発音からくる。ロックフェラーのスタンダード・オイルが企業分割されたとき、同社が持つ商標の多くは分割後の企業が担当していた地域に合わせて権利が与えられた。「SO」はその一つであった。
「Esso」ブランドを所有していたスタンダード・オイル・オブ・ニュージャージーは、他のスタンダード・オイルとマーケティングの協定を持っていたが、分割後は他社の領域を侵すようになった。一例として1930年代初めに3つのガソリンスタンドがスタンダード・オイル・オブ・インディアナの領域である中西部で開業した。問題を複雑にしたのはラジオのコマーシャルで「エッソ」と「SO」の区別が付かないことであった。訴訟が次々と起こされ、スタンダード・オイル・オブ・インディアナが勝訴した。
このためスタンダード・オイル・オブ・ニュージャージーは、「Esso」の商標をアメリカ国内では自社の領域以外使用できなくなってしまった。従って、同社は群小石油会社を悉く合併してはそれぞれの商標(「ハンブル」「オーバルE」など)を使用する方法を選択した。
1960年代半ば、全米統一商標としてEnergy Company(燃料会社)の略である「Enco」を使用することに決定。「Esso」に代わる全世界商標に採用すべく準備を進めていたが、日本のエッソ・スタンダード石油が待ったをかけ、採用は中止となってしまった。これは「エンコ」が日本の俗語で「エンジントラブル」を意味していたからである。
1974年、他のスタンダード・オイルと誤解されず、かつ全世界で会社にとって不利益な意味とならない言葉として「EXXON」を採用。全米で使用を開始したが、それでも「エクソン」と「SO」の区別が付かないとして以前と同様の状況が発生した。
現在スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージーはエクソンモービルである。一方スタンダード・オイル・オブ・インディアナはアモコ(BPの一部)である。
また日本では、1998年、消防法改正によってセルフサービスステーションが解禁になったのを受け、「エッソ エクスプレス(Express)を展開している。「クイック&イージー」をキーワードに、誰もがすぐに、気軽に利用できるセルフSSとする戦略を採っている。
[編集] 関連企業
- 東燃ゼネラル石油 - 東証1部に上場している石油精製・販売会社。エクソンモービル(有)が50.02%出資
- エクスプレス- エクソンモービル有限会社のセルフサービスステーション
- スタンダード石油大阪発売所 エクソンモービル日本代理店