オメガトライブ キングダム
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『オメガトライブ キングダム』は、玉井雪雄による漫画作品。『オメガトライブ』の続編。
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[編集] 概要
『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)において、2005年29号より連載開始。
[編集] 改題までの経緯
前作の政界立志編の中盤から終盤にかけて、掲載順位が下の方であったことが続いたことからしばしば打ち切り説がささやかれた。このため、一ヶ月弱の休載を挟み、新たに新連載として連載が再開された(壮大な物語なので、巻数が膨大になることを防ぐためという説もある)。『キングダム』に改題してからは頻繁にセンターカラーを飾り、単行本第1巻も重版出来になったことから、編集部の作戦は成功であったと思われる。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
日本クーデターまで残り一年となった究極種党は、いよいよ「祭り」のための準備を開始する。吾妻晴=HALは民間警備会社の代表として、梶秋一は国会議員として、「大日本合県国」の建国を目指す。
[編集] 登場人物
[編集] 日本オメガ・究極種党
- HAL=吾妻晴(あずま はる)
- 主人公。日本オメガであり正統種。民間警備会社「桜印警備保障」の代表。特性は『太陽=光』。外国人ピッキング窃盗団をテロリストに仕立てあげ、自作自演の大救出劇で一気に国民の注目を集める。1年以内の日本クーデターを目指す。
- 梶秋一(かじ しゅういち)
- 第二の主人公。日本オメガのβ。現在 衆議院議員1回生。総理大臣の椅子を獲得するため、改憲推進派の盛田派に属する。
- 冬吾・F・カプラン(とうご)
- 究極種党のPR担当で日本オメガのβ。ワシントンのPR会社の元社員で、独立して「エイトアンドハーフ社」を立ち上げた凄腕の情報戦略家。米国で起きた3度目のテロにより目の前で隣人や両親を亡くし、8歳半の時に自分で自らの成長を止めた。足が悪く、車椅子を利用している。実年齢は35歳。語尾に「~と言います」とつけるのが特徴。
- 劉水華(リュウ シュイホア)
- 智健の娘で中国オメガ(太極者)のβ。体表を鱗で覆われていて、水中での呼吸が可能。7カ国語を話す。
- 早海勇介(はやみ ゆうすけ)
- 梶の私設秘書で日本オメガのγ。ハキムの手により瀕死の状態に陥るが、梶の再洗脳によりオメガに進化。
- 桜一郎(さくら いちろう)
- 究極種党の参謀格にして実行隊長。地下活動組織「オメガUG(アンダーグラウンド)」の指揮を担当する。経歴については一切不明。マメに日記を記しているようである。因みに下着はフンドシ。
- 金木英姫(かねき よんひ)
- 晴と行動を共にする。テコンドーの使い手。日本オメガのβ。
- 荒戸源一郎(あらと げんいちろう)
- 自衛隊秘密部隊の隊長。警備会社を立ち上げるために仏教からムスリムに改宗、名前も"ムハンマド・アラト"に改名しサウダイ共和国へと飛ぶ。
- 阿部奈美(あべ なみ)
- アイドルグループ「モントリオール娘。」の元メンバーで日本オメガのγ。梶との性交によりオメガに進化。アイパッチがトレードマーク。精神に若干の異常をきたしているが高い身体能力を持つ。コードネームは「踊る光人形(ジャンピング・ジャック・フラッシュ)」通称なっちん(NUTS IN では無い)。
- 古屋研三(ふるや けんぞう)
- 桜印警備保障・極東本部長。溜池潔議員を陥落させるため、娘に接触する。コードネームは「レディ・ジェーン」。
[編集] 異種オメガ
- イブ・L・ホークス
- アメリカオメガ(卒業生=グラデュエイター)。米国大統領夫人。特性は『火』 スタイルは権力。
- 劉智健(リュウ チーチェン)
- 中国オメガ(太極者=タイチーチャ)。中国一の富豪。特性は『水』 スタイルは金。
- ファンダル・アブドゥル・ハキム
- 中東オメガ(救世主)。サウダイ共和国の第7王子。特性は『大地』 スタイルは軍事力。国会議事堂での 日本・中国オメガとの三つ巴の戦闘時に右手を失い現在は義手を使用している。口癖は『パドゥーン』。
- ルチアーニ枢機卿
- イタリアオメガ。宗教学者。特性は『運=生命力』 スタイルは宗教(カトリック)。最古のオメガ。末期の癌であり月に一度来日し抗癌剤による治療を受けている。相手の運を奪う等の設定はスペイン映画の10億分の1の男から取られたものと思われる。また彼の収容所でのエピソードは、映画における登場人物のそれと酷似している。
- 第六の男(だいろくのおとこ)
- 行方不明のオメガ。人種・特性・スタイル、共に詳細不明。劉智健は蒙古(モンゴコロイド) イブは黒色人種(ネグロイド)ハキムは白色人種(コーカソイド)と主張(又は認識)が食い違っている。イブとハキムは過去に「第六の男」と接触・戦闘したと思しき描写が作中にあり、その時の彼の容姿の描写は 長髪で金髪、人種は白色人種(少なくとも黒色人種では無い)だった。(また、イブとハキムは戦闘時 殆ど無傷で着衣の乱れも無かったために第六の男の戦闘能力は低いと考えられる)また彼が、崖下に転落する前に『私は死なない…いや、死ねないんだよ』と、自身が不老不死であると連想させる発言をしている。劉智健・ルチアーニ枢機卿は共に彼が不老不死であるという認識で一致しているようである。「第六の男」を目撃したとされるイブ、ハキム、劉智健の京都オメガ会議での主張の食い違いは、個体の延命を図るルチアーニ枢機卿に対する牽制ともとれるがそれぞれの発言の詳細な意図は不明である。
[編集] その他
- WILL
- 晴に感染してオメガへと進化させた生命体。地球で原始生命が誕生してから40億年の間「種の限界」が訪れる度に次世代の個体と手を組んで新しい人類を発足させてきた。旧人類を現生人類(ホモ・サピエンス)まで進化させた正統な進化種。改題に伴い尻尾が生えた。
- 千堂満次(せんどう みつつぐ)
- 日本政財界のドン。一般人だが、オメガの存在を知っている。ルチアーニ枢機卿により殺害される。
- 溜池潔(ためいけ きよし)
- 警察官僚出身の議員で、現・国土交通大臣にして国家公安委員長。民間警備会社の全国化に「待った」をかけるも、HALに抱き込まれ陥落。
- 宮ノ木明(みやのき あきら)
- 桜印警備保障 究極青年隊に所属する青年。しかし正体は警視庁公安部 公安総務課から潜入したスパイ。自称25歳。
- 芝賢太郎(しば けんたろう)
- 桜印警備保障 本社勤務の青年。HALに憧れ入社。口癖は「~デスヨ」19歳
- 荒戸大輔(あらと だいすけ)
- 防大時の晴の上級生。究極種党入りを晴に拒絶されたのち同大学を卒業、現在は自衛官である。桜印による祭りを阻止すべく、祭りより先に「自衛隊民営化法案」反対組によるクーデターの達成を目指す。
- トム
- イブ・L・ホークス児童福祉財団施設・プリマス=ホームの一期生。アメリカオメガのβと思われる。(来日時にクロックアップを使用し警官から拳銃を強奪、HALらを強襲したが特性を発揮していないため詳細は不明)イブの"誠意"をHALに伝えるために来日。長髪で四肢にタトゥーがあり背に大きな傷跡がある。また、外見的特長に「第六の男」と共通する点が多々あり、先に述べたとおり特性を発揮していないためにトムが行方不明のオメガであるという可能性も否定できない。
[編集] 用語
- オメガ
- 地球上に六種確認された新人類。他にも太極者、卒業生(グラディエーター)などの呼び名がある。地球上にはいくつかのスポットがあり、そこには種を進化させるためのウィルスが待っている。「全てに絶望していること」「社会不適合者であること」「それでもなお生に執着していること」という三つの条件を満たしている者は、オメガウィルスに感染することで進化することができる。(なお、感染者の体液を通じても他の個体に感染する。)進化する脳ならば神経伝達物質が免疫となり発症しないが、絶滅する脳に感染すると脳は沸騰し破裂する。日本オメガは脳に特化したため、通常の人間の80倍ものスピードで脳を高速回転(クロックアップ)させることが可能だが、限界を超えると脳が焼け死んでしまう危険があり、長時間クロックアップするには修行が必要である。同様に中国オメガは呼吸器系に特化したため水中での生活が可能である。
- α(アルファ)
- オメガウィルスの意志を知覚し、進化の方向性を決定できるオメガ。一つの種に一人だけ存在する。
- β(ベータ)
- αからウィルスを株分けされて進化したオメガ。能力としてはαと同等だが、進化の方向性を決定することはできない。αが死亡すると、βのうち一人がαに格上げされる。βからウィルスを株受けされて進化したオメガはγになる。
- 洗脳
- 前述の通り、通常の旧人類がオメガウィルスに感染した場合、感染者の脳は沸騰し破裂する。だが発症までには潜伏期間があり、その間オメガは感染者を洗脳して操ることができる。潜伏期間は調節可能で、短ければ短いほど脳を確実に掌握し、対象の感情・記憶・知覚を思うままに操ることができる。
- 種の衝突
- 次世代の人類として勝ち残り、進化を獲得するための競争。世界には全部で六種のオメガがおり、新参者の晴(日本オメガ)と行方不明の一種を除く四種は協定を結び、年に一度スイスのダボスで定例会を開いている。オメガの情報を世間に発表(リーク)するのは協定違反で、違反者は会議にて断罪される。
- 特性
- あらゆる時期・状況・気候に適応するために、それぞれのオメガは体の一部分を特化するなどの「特性」を持つ。オメガの「特性」は開花するといっても既に決まっていて、その者が進化を選んだときの状態に起因すると考えられる。
- スタイル
- ある者は「金」、ある者は「宗教」、ある者は「権力」というように、各種は独自のスタイルを持っている。地位も人種も階級も違う中で、極めて微妙なパワーバランスによってゲームは成り立っているのだ。どういうスタイルで卓につくかがゲームの鍵となる。
[編集] グッズ
2005年、「サマーソニック」にて『オメガトライブ』梶秋一 初代大統領バージョンが100体のみ「ART STORM」より限定販売された。反響が大きかったため、同年11月より通販で購入が可能となった模様。
[編集] 外部リンク
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