オメガトライブ (漫画)
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[編集] 概要
『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)において、2001年40号から2005年24号まで連載。全14巻。2005年29号より『オメガトライブ キングダム』と改題して連載再開。
- 村上龍「愛と幻想のファシズム」がモデルであるとされる。
- 続編であるオメガトライブキングダムの単行本第4巻にて、作者が「ある有名な戯曲が元になっている」と発言している事から、ギリシャ悲劇「オイディプス王」がモデルではないかとも言われている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
アフリカの奥地で実父に殺されそうになった主人公吾妻晴は『かつて全てだったものの一部』『全ての生物の根元』『全てを滅ぼし前進させる力』………の統合された意志=WILLと契約を交わし、新人類=オメガとして覚醒(進化)する。アメリカのオメガである大統領夫人イブ・L・ホークスからオメガ同士による次世代の進化を賭けた『種の衝突』の事実を聞かされた晴は、巨大暴走族「極東連合」のリーダー梶秋一を取り込んで、日本の実権を握るために3年以内の祭り(クーデター)の実現を目指す。
[編集] 構成
- 晴の覚醒編 - 第1話~第39話
引きこもりであった晴がオメガへと進化し、「究極種党」を立ち上げるまでの成長を描く。アメリカオメガが登場。
- 梶の覚醒編 - 第40話~第74話
巨大暴走族のリーダーであった梶が晴と対立の末和解し、第二の主人公となるまでを描く。中国オメガが登場。
- 防衛大学編 - 第75話~第107話
- 政界立志編 - 第108話~第152話
梶が斉藤道夫の秘書として潜入し、国会議員に当選するまでを描く。中東オメガが登場。
[編集] 登場人物
[編集] 日本オメガ・究極種党
- 吾妻晴(あづま はる)
- 主人公。日本オメガであり正統種。元引きこもり。社会復帰プログラムツアーでケニアを旅行中、保険金目当てで父親に殺されかける。瀕死の状態であったがWILLと契約を交わしてオメガ(ホモサピエンス・オメガシス)へと進化し、一命を取り留める。日本に帰国してからは新宿東口にて演説活動を行う一方でクロックアップを使いこなすために筋力トレーニングに励むが、恵美と英姫に出会って生活が安定すると次第に意志が衰弱していく。人里はなれた地方でひっそりと暮らす決心をするが、広島に向かう途中でバスジャックに遭って拉致され、イブから『種の衝突』の事実を聞かされる。次世代闘争に参加するために究極種党を立ち上げ、3年以内の日本クーデターを目標に掲げる。親が子を殺さない世界の確立を目指す。
- 桜一郎(さくら いちろう)
- 究極種党の参謀格。経歴については一切不明。イブの使いとして晴に接触する。晴の考えに感銘を受け、共に究極種党を立ち上げる。
- 羽柴恵美(はしば めぐみ)
- 晴の恋人。強い男が好きで、自分を守ってくれる圧倒的な力があれば暴力をふるわれても構わない。「究極種繁殖」計画の下、体外受精で晴の子を産む契約を取り交わすが、妊娠には至らなかった。「金の鹿」との戦闘で重症を負ったことにより死亡する。
- 金木英姫(かねき よんひ)
- 恵美の異母姉妹でテコンドーの使い手。晴に洗脳され、党員になる。離れていても晴の意志を感じることができる。
[編集] 極東連合
- 梶秋一(かじ しゅういち)
- 関東最大の暴走族「極東戦線」の元10代目総長。幼少期に母親から受けた虐待が原因で後天性無痛覚症になる。引退後は現役時代に作ったネットワークを利用して実業家として成功を収めるが、晴による族狩りを受けて激怒。再び13代目新総長として復帰する。他の暴走族を傘下に入れて「極東連合」を設立してから度々究極種党(オメガ党)と対立するが、晴との戦闘中に自らも絶望を発現していたためオメガへと進化。中国オメガに襲撃された際、晴に救われたことをきっかけに和解し、初の族出身の総理大臣が実現するまで「休戦」する。3年後の「祭り」で現政権が転覆して「大日本合県国」が誕生するまでに国会議員になるため、斉藤道夫の秘書に就く。嫌いな食べ物は「納豆そば」。モデルは芸人の鳥肌実。
- 真島昌士(まじま まさし)
- 「極東戦線」の元副総長。梶の片腕的存在で、中学からの親友。晴と共に防衛大学に潜入する。2児の父。
- 古屋研三(ふるや けんぞう)
- 元「極東戦線」。
- 青木五郎(あおき ごろう)
- 元「極東戦線」。成功と失敗の可能性は常に50%ずつという持論を持つ。
- 谷口宗典(たにぐち むねのり)
- 元「極東戦線」。
[編集] 異種オメガ
- イブ・L・ホークス
- アメリカオメガ(卒業生=グラデュエイター)。米国大統領夫人。特性は『火』、スタイルは『権力』。6歳の時、借金返済の目途が立たなくなった両親に農場へ売られてしまう。養父から性的虐待を受けて家を飛び出したところを火山噴火に巻き込まれ、オメガへと進化する。あくる日、「特性」で農場ごと焼き払って養父の莫大な財産を相続する。他種よりもいち早く日本オメガの存在を察知して、『種の衝突』へと引き込んだ張本人。
- 劉智健(リュウ チーチェン)
- 中国オメガ(太極者)。中国一の富豪。特性は『水』、スタイルは『金』。自己顕示欲が強い。『種の衝突』で生き残るのは何も一種である必要はないと考え、他種と混じり合うことが可能な水華を作り出すなど画期的かと思いきや、隙があれば周りを出し抜こうとするなど侮れない狸親父。
- 劉水華(リュウ シュイホア)
- 智健の娘で中国オメガ(太極者)のβ。遺伝子をいじられていて、他の種との交配が可能。自分を道具としか扱わない父に反発して、後に究極種党に加わる。
- ファンダル・アブドゥル・ハキム
- 中東オメガ(救世主)。特性は『大地』。厳密に言えば大地を含みこんだところの微生物を操る。サウダイ共和国の第7王子で「日・中東石油開発事業」の交渉のため来日する。自分を捨てて一族の恥さらしにした母親を恨んでおり、日本オメガのスタンダードに反発を感じる。国会議事堂で梶と対決するが劉智健に襲われ、片腕を失う。友情パワーで劉を倒したことで和解し、国会議員・梶秋一の後援者となる。口癖は『パドゥーン』。
- ルチアーニ枢機卿
- イタリアオメガ。特性は『運』、スタイルは『宗教』。生命体のもつ運=生命を自在に操ることができる。
[編集] その他
- WILL
- 謎の生命体(ウイルス)。晴に感染してオメガへと進化させる。地球で原始生命が誕生してから40億年の間「種の限界」が訪れる度に次世代の個体と手を組んで新しい人類を発足させてきた。旧人類を現生人類(ホモ・サピエンス)まで進化させた正統な進化種。
- 阿部奈美(あべ なみ)
- アイドルグループ「モントリオール娘。」のメンバー。通称なっちん。梶との性交で日本オメガのγへと進化する。
- 荒戸大輔(あらと だいすけ)
- 防衛大学での晴の上級生。究極種党に加わる予定だったが父・源一郎の意向により除名される。「祭り」を阻止するため、海上自衛隊に入る。
- 荒戸源一郎(あらと げんいちろう)
- 大輔の父で、元自衛隊海将補。退役して隠居生活を送っている風に装っているが、「UFO(有事法制世論)研究会」の一員で「自衛隊秘密部隊」の隊長。5年前に任務のためとはいえ実の息子を葬ったことへの責任を感じており、以来現実から目を背け続けてきた。晴と対立して「金の鹿」を背けるが、後に和解。息子の大輔を巻き込まないという約束で、究極種党の傘下に入る。
- 木原功一(きはら こういち)
- 源一郎の部下で元陸曹長。防衛大学の清掃人。落ちこぼれだった小菅の才能を見出し、「自衛隊秘密部隊」に推薦した張本人。
- 小菅守(こすげ まもる)
- 別名「金の鹿」。元二等陸士。落ちこぼれ隊員だったが自ら志願して「完璧な兵士」になるための実験台となり、「自衛隊秘密部隊」に入団。自衛隊にとって都合の悪い人物の処理を担当する。究極種党を壊滅するため晴に近づくが、源一郎に撃たれる。オメガに進化して助かるという選択があったにも関わらず、あえて死を選択した。
- 斉藤道夫(さいとう みちお)
- 国会議員。「マングース道夫」と呼ばれる。
- 早海勇介(はやみ ゆうすけ)
- 斉藤の第一秘書。民自党のニューリーダーであった故・大山正達の息子。大山の秘書で年の離れた兄のような存在だった斉藤に全てを奪われ、復讐するために接近する。中東オメガに洗脳され瀕死の状態になったところを梶に再洗脳され、日本オメガのγへと進化する。
[編集] 用語
- オメガ
- 地球上に六種確認された新人類。他にも太極者、卒業生(グラディエーター)などの呼び名がある。地球上にはいくつかのスポットがあり、そこには種を進化させるためのウィルスが待っている。「全てに絶望していること」「社会不適合者であること」「それでもなお生に執着していること」という三つの条件を満たしている者は、オメガウィルスに感染することで進化することができる。(なお、感染者の体液を通じても他の個体に感染する。)進化する脳ならば神経伝達物質が免疫となり発症しないが、絶滅する脳に感染すると脳は沸騰し破裂する。日本オメガは脳に特化したため、通常の人間の80倍ものスピードで脳を高速回転(クロックアップ)させることが可能だが、限界を超えると脳が焼け死んでしまう危険があり、長時間クロックアップするには修行が必要である。同様に中国オメガは呼吸器系に特化したため水中での生活が可能である。
- α(アルファ)
- オメガウィルスの意志を知覚し、進化の方向性を決定できるオメガ。一つの種に一人だけ存在する。
- β(ベータ)
- αからウィルスを株分けされて進化したオメガ。能力としてはαと同等だが、進化の方向性を決定することはできない。αが死亡すると、βのうち一人がαに格上げされる。βからウィルスを株受けされて進化したオメガはγになる。
- 洗脳
- 前述の通り、通常の旧人類がオメガウィルスに感染した場合、感染者の脳は沸騰し破裂する。だが発症までには潜伏期間があり、その間オメガは感染者を洗脳して操ることができる。潜伏期間は調節可能で、短ければ短いほど脳を確実に掌握し、対象の感情・記憶・知覚を思うままに操ることができる。
- 種の衝突
- 次世代の人類として勝ち残り、進化を獲得するための競争。世界には全部で六種のオメガがおり、新参者の晴(日本オメガ)と行方不明の一種を除く四種は協定を結び、年に一度スイスのダボスで定例会を開いている。オメガの情報を世間に発表(リーク)するのは協定違反で、違反者は会議にて断罪される。
- 特性
- あらゆる時期・状況・気候に適応するために、それぞれのオメガは体の一部分を特化するなどの「特性」を持つ。オメガの「特性」は開花するといっても既に決まっていて、その者が進化を選んだときの状態に起因すると考えられる。「特性」の存在によって戦闘が多様化した一方で、能力バトルが原因で作品古来のテンポのよさが薄れ、少年漫画化しつつあるという不満も強い。
- スタイル
- ある者は「金」、ある者は「宗教」、ある者は「権力」というように、各種は独自のスタイルを持っている。地位も人種も階級も違う中で、極めて微妙なパワーバランスによってゲームは成り立っているのだ。どういうスタイルで卓につくかがゲームの鍵となる。
[編集] 外部リンク
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