カラオケボックス
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カラオケボックスは、独立性の高い空間で仲間内だけでのカラオケが楽しめるようにしてある娯楽施設である。 カラオケ機器(通常は通信カラオケ)を中心にしてテーブルとソファなどが配置されただけのシンプルな個室(定員数人から50人程度まである)を多数用意して営業している。大音響で歌うことから、防音性には特に留意されて作られている。
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[編集] 概説
カラオケ発祥当時の1970年代は、カラオケはスナックなど飲食店で来店客へのサービスとして設置されているものだった。 しかし、カラオケ自体の人気が上昇するとともに、ファミリー層やシルバー層を中心に飲酒とは関係なくカラオケを楽しみたい、練習をしたいという需要も高まってきた。 そして、技術的には1980年代になりLDチェンジャーが登場したことで選曲の際に店員が必要なくなり、カラオケボックスの可能性に道が開けることとなった。
最初のカラオケボックスと呼べるものが登場したのは1985年のことである。第一号店は貨物用のコンテナを改造したものを岡山県内の郊外の幹線道路沿いに設置したものであった。1990年代以降、市街地のビルの全部または一部のフロアを多くの個室に仕切ったものが主流となり、新曲が早く歌える通信カラオケの登場もあって高校生などの若年層が良く利用するになる。密室性・防音性が高くなっているという特徴は変わらない。
この特徴は唄っているところを外から見られてしまわないという安心感を生んでいる。 反面、こうした密室性から、性犯罪の舞台ともなり得るという問題を併せ持っている。この点を考慮し、現在は全てのカラオケボックスで、ドア自体や通路側の壁に大型のガラス窓が設置されており、また一部店舗では室内に防犯カメラが設置されている。
[編集] 営業形態
料金は利用人数と時間帯に応じて請求されるのが一般的で、一人一時間あたり500円前後が相場。一般に、一番利用客の多い時間帯(午後6時~午前0時)が高く、それ以外の時間帯は割安に設定する店が多い。 利用時間は来店時に申請するが、混雑時でなければ途中延長が可能な場合がほとんどである。 また、カラオケサービスを提供するだけでなく、軽食や酒類をはじめとした飲み物が注文できることもあって、料金は利用後の清算となることが多い。
また、ワンドリンク制といい、入室時にまず1杯ドリンクを何か注文しなければならないとしているところもある。
客一人あたりに必要な店員数が少なくて済むことや、飲み会の二次会以降で利用されることも多いということからカラオケボックスは終夜営業(場合によっては24時間営業)を行っている場合が多い。終電を逃した人が始発列車を待つ、など夜を明かすための場所として利用されることもあり、それを意識してか夜通しの割引料金を設定している店もある。