キネトスコープ
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キネトスコープ(Kinetoscope)は、トーマス・エジソンによって発明(1891年)された映画を観る装置。撮影機の方はキネトグラフといい、キネトスコープより先に、同じエジソンが発明した。
1893年にシカゴ万国博覧会に出展し、1894年4月14日にはニューヨークのブロードウェイ1155番地に世界初の映画館(キネトスコープ・パーラー)が設置された。キネトスコープは世界的に大ヒットし、その後2年でアメリカのほとんどの街にキネトスコープ・パーラーが設置されることになった。
スクリーンに映写されるのではなく、箱の中をのぞき込む形になる。当時は「ピープショー」とも呼ばれた(ピープ peep とは、のぞくという意味)。一度に多くの人が鑑賞できるスクリーンに投影される形の映画(シネマ)は、リュミエール兄弟による発明(1895年)を待つことになる。
日本でエジソンが発明したキネトスコープを初上映したのは神戸の神港倶楽部で、1896年(明治29年)11月25日から12月1日までであった。日本の映画の日が12月28日から12月1日に変更されたのは、この日付に因むためと言われる。
(リュミエールが発明したスクリーン式の「シネマトグラフ」は1897年、大阪の南地演舞場や京都で披露されている)