キュニコス派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キュニコス派(きゅにこすは)は、ヘレニズム期の古代ギリシアの哲学の一派である。シニシズム(シニスム)、キニク学派(キニク派)、犬儒学派(犬儒派)ともいう。 ヘレニズム期の他の学派同様、倫理哲学にその特色をもつ。禁欲を重視するところではストア派とも通じるが、より実践を重んじ認識論的展開を見せなかった。 無為自然を理想として、現実社会に対しては諦めた態度を取っており、古典期の社会(ポリス)参加を重視する倫理思想と大きく異なる。 シノペのディオゲネスが有名である。 「人を信じない、嘲笑する、皮肉な」という意味の「シニカル」という語は、キュニコス派を指す英語 cynic を形容詞化した cynical に由来する。