クマタカ
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クマタカ | ||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Spizaetus nipalensis (Hodgson, 1836) |
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英名 | ||||||||||||||||
Mountain Hawk-eagle |
クマタカ (角鷹)は、タカ目タカ科に属する森林性の大型の猛禽類である。
目次 |
[編集] 形態
全長はオス約75cm、メス約80cm。翼開長は約160cmから170cm。胸から腹部にかけては白色味が強く、胸には縦斑、腹部には横斑がある。頭部は黒く、後頭部に冠羽をもつ。成鳥の目は黄色。
[編集] 分布
ヒマラヤから東南アジア、日本などの森林地帯に生息している。世界に3亜種が生息するが、日本に生息する亜種 S.n.orientalis は、ほぼ日本にのみ生息する。世界的に分布域が狭く貴重な種類である。
日本列島では北海道から九州にかけての山地の森林に留鳥として生息し、森林生態系の頂点に位置している。そのため「森の王者」とも呼ばれる。 もともと非常に個体数が少ないうえ、近年繁殖に成功するつがいの割合が急激に低下しており、絶滅の危機に瀕している。
[編集] 生態
クマタカは森林内に生息する多種類の中・小動物を餌とし、あまり特定の餌動物に依存していない。 また、森林に適応した短めの翼の機動力を生かした飛翔で森林内でも狩りを行う。
飛翔の際にクマタカはあまり羽ばたかない。 大きく幅広い翼を生かして風を捕らえ、旋回する。 同じタカ類のオオタカとは、一見して異なる飛翔であるため、慣れると上空高く飛ぶ場合でも一目で両者の区別が付けれるであろう。 獲物を捕らえる際には翼を畳み、目標をめがけて加速を付けて飛び込む。
繁殖は1年に1回産卵するが、1回に1卵しか産卵しない。
なお、クマタカは森林性の猛禽類で調査が容易でないため、生態の詳細な報告は少ない。
[編集] Sibley分類体系上の位置
Sibley-Ahlquist鳥類分類 |
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コウノトリ亜目 Ciconii
ハヤブサ下目 Falconides
タカ小目 Accipitrida
タカ亜科 Accipitrinae
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[編集] Status
- LEAST CONCERN(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
- 絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト)
- 種の保存法:国内希少野生動植物種
[編集] references
- ^ Spizaetus nipalensis (Species Factsheet by BirdLife International)
- ^ Spizaetus nipalensis (環境省絶滅危惧種情報 by 生物多様性情報システム J-IBIS)
[編集] 外部リンク
[編集] 補足
クマタカは、「角鷹」と「熊鷹」と二通りの漢字表記事例がある。 学術的には、学名(ラテン名)のみが種の名称の特定に用いられる。従い、学術的にどちらが「正しい」表記とはいえない。 また、歴史的・文学上では双方が使われてきており、どちらが「正しい」表記ともいえない。 近年では、「熊鷹」と表記される辞書が多い。 これは「角鷹」をそのままクマタカと読める人が少なくなったからであろう。
カテゴリ: Least concern | 絶滅危惧IB類 | タカ目