クラリネット五重奏曲 (モーツァルト)
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クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの作曲した室内楽曲。
[編集] 解説
モーツァルトによる五重奏曲の中にあっても、ここまで有名な曲は他にないであろう。クラリネットという、当時はまだ目新しさのある楽器でようやくオーケストラの仲間入りをし始めたという時期に、その音の魅力に即座に気付き、数々のクラリネットのための名作を作り上げた点は、さすがモーツァルトということが出来る。クラリネットは高音と低音で音の膨らみが違い、高音になるほど細く明るい感じの音となり、低音になるほど太く暗い感じのする楽器である。その微妙な音質の違いこそがクラリネットの大きな魅力の一つである。クラリネットを聴いて、すぐにそのことに気付いたモーツァルトは、友人シュタードラーの為にこのクラリネット五重奏曲を完成させ高音部から低音部まで幅広く使うことによってその特性を余すことなく引き出した。
[編集] 曲の構成
四楽章の構成になっているがイ長調という調性にも関わらず、第一楽章からしてやや陰鬱な響きを以って始まる。第二楽章も美しい楽想に支えられ、クラリネットと弦楽による豊かな絡み合いが演出される。第四楽章は変奏曲形式となっている。変奏のさせ方は基本的にはピアノや他の楽器のための変奏曲と変わらないが、やはりここでもクラリネットの音質の違いを出そうとしたモーツァルトの姿がうかがえる。ちなみにブラームスはこのクラリネット五重奏曲に大いに関心を示し、彼自身、クラリネット五重奏曲を作曲したほどである。その影響もあって、第四楽章はやはり変奏曲形式になっている。モーツァルトのクラリネット五重奏曲は先にも述べたとおり、シュタードラーの為に作曲されたので、ときに「シュタードラー五重奏」と呼ばれることもある。