クロスワードパズル
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クロスワードパズル(単にクロスワードとも表記される)は、「カギ」と呼ばれる文章によるヒントを元に、タテヨコに交差したマスに言葉を当てはめてすべての白マスを埋めるパズル。通常、長方形であり、文字の入る白マスと入らない黒マスから成り、白マスにはカギを配置するために数字などが振ってある。日本語のクロスワードパズルの解にはカタカナを用いることが多い。
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[編集] 歴史
1913年12月21日に「ニューヨークワールド」紙にイギリス生まれの記者アーサー・ウィンが制作した物を掲載したのが最初と言われているが異説もある。クロスワードの歴史については生活人新書「遠山顕のクロスワードの謎」ISBN 4140880481 が詳しい。
日本語のクロスワードパズルとしては、1925年3月から「サンデー毎日」誌に連載されたのが最初である。現在では専門雑誌から一般の雑誌・新聞などの懸賞問題に至るまで幅広く楽しまれている。
[編集] 作成時のルール
制作や解答において、例外が許されないほどの厳格なルールは無いが、慣例がいくつかある。
- マスに入る言葉は一般に知られているような名詞でなければならない。また、単語の一部だけを使用してはいけない。
- 日本ではカタカナを用いるため、決まりがある。
- 「ッ」や「ョ」などの促音、拗音は大文字の「ツ」や「ヨ」として見なされる。また拗音は二文字で数えられる。たとえば「ショック」の場合、「シヨツク」となる。
- 濁音や半濁音は一文字として数えられる。
- 「ー」の長音はいずれかの向きに書けばよい。
- 一つのパズル内に同じ単語が複数あってはならない(同音異義語を含む)
- 黒マスによって白マスの領域が2つ以上に分断されてはならない
- 黒マスは縦または横に連続しないほうが好ましい
- 四隅に黒マスが置かれないことが好ましい
- 特に英語など文字数の少ない言語の場合、黒マスの配置を対称形にすることが好ましい
上のルールのうち、黒マスの配置に関するルールを黒マスルールという。このルールは、ナンバークロスワードパズルなどのクロスワードに類似した他のパズルの黒マスの配置においても適用される。
なお、カギの配置については横に振る方式と縦に振る方式がある。ヒントもそれに応じて前者はタテ、ヨコの順に、後者はヨコ、タテの順に並べてある。
[編集] 例題
1 | 9 | 2 | 3 | 9 |
9 | . | 4 | 9 | . |
5 | 6 | . | 7 | 8 |
. | 9 | 10 | 9 | 9 |
11 | 9 | 9 | . | 9 |
タテのカギ
- 1.(タテ8)を持っていると就職に○○○です。
- 2.グリーンランドは世界最大の○○。とはいえ(メルカトル図法の)地図ほどは大きくない。
- 3.アンマンを首都とする中東の国。
- 6.潮干狩りでよく獲る貝。
- 8.4つの角を持つ図形。または何らかの能力を持っているという公的な証。
- 10.第二次ポエニ戦争の決戦となったのは○○の戦い。
ヨコのカギ
- 1.2003年、阪神タイガースが18年ぶりに○○○○○。
- 4.バツの反対。フランス語では痛みを表す。
- 5.シェイクスピアの四大悲劇は、「ハムレット」「マクベス」「オセロ」「○○王」。
- 7.コンブや鰹節などを煮て作る調味料。
- 9.漢字で「山茶花」と書くツバキ科の木。童謡「たきび」にも登場。
- 11.1948年に板橋区から分離し、23番目の区となった東京都の区は○○○区。
答えはこのページの一番下に。
[編集] カギのパターン
よく使われるカギのタイプには以下のような物がある。
- 独立している物
- クイズ・なぞなぞ的なカギ
- 最も一般的なカギ。解答がそのままマスに入る。
- タテ3・ヨコ9などがこのタイプに当たる。
- 穴埋め
- 文章の中に伏せられた部分があり、その部分をマスに入れるタイプのカギ。
- ヨコ5などがこのタイプに当たる。
- また、伏せられた部分が丸ではなく棒引き線の場合もある。
- クイズ・なぞなぞ的なカギ
- そのカギだけでは確定できないカギ
- 他のカギを使用するカギ
- カギの中に「タテ○の~」のような言葉が入るカギ。先にそのカギを確認する必要がある。
- タテ1がこのタイプに当たる。
- 答えが複数あるカギ。
- カギから考えられる単語が複数あり、交差する単語から判明する物。
- タテ6などがこのタイプに当たる。
- 他のカギを使用するカギ
[編集] 特殊なクロスワード
- ケイだけクロス(初期状態では黒マスが入っていないため、黒マスルールにのっとって黒マスを配置しながら解く。この場合、黒マスが対称形でなくても良い。)
- エッセイクロス(カギの一文が非常に長かったり、個人的な主張などが含まれていたり、カギ全体が一つの文章であったりする。)
- ノンクロ(黒マスが存在しないクロスワード。作成は非常に難しい。)
など。
[編集] 特殊なカギ
一部のクロスワードにはカギを文章ではなく絵や図で表すものがある。代表的なものに以下のようなものがある。
- 絵ヒントクロス
- ヒントを文章ではなく絵で表したクロスワード。そのものの絵を描く場合と判じ絵のような物の場合がある。
- カギごとに絵が描かれる事が多いが、大きな一枚絵でそれぞれの場所にカギの番号がかかれているものもある。
- タイポグラフィッククロス
- 絵ヒントクロスの様に、各カギを文字で絵を描いて表現したもの。アスキーアートとは違い、絵に使用された文字がそれぞれ意味を持っている。
- 夢枕獏の作品『カエルの死』がアイデアの原点だともいわれている。
[編集] カギを使用しないクロスワード
一部のクロスワードにはカギの存在しない物がある。その場合には他の方法で単語を見つけるための手がかりが提示される。
カギを用いないクロスワードで最も代表的なものがナンバークロスワードパズル(ナンクロ)である。これは、あらかじめ盤面に入っている文字と文字の並びの特徴を手がかりに単語を考えていく物である。
最も多いタイプの問題としては、あらかじめマスに入れる文字が枠外にすべて提示されており、それぞれがどのマスに入るかを探すものがある。代表的なものとしては「サムセレクション」や「ツメクロス」などがある。
[編集] 世界のクロスワード
ヒントから導かれる言葉をマスに埋めるという基本ルールは同じだが、国によって枠の組み方・カギのつけ方には差がある。
- アメリカ
- 黒マスの連続に制限がないが、必ず対称的に配置しなければならない。また、すべてのマスが縦横両方向で使われていなくてはならない。
- フランス
- カギは列ごとにつけられる。黒マスの配置に制限はないが、数を減らすことが望ましいとされており、全体の9割以上が白マスである問題も珍しくない。
- イギリス
- 対称形であるがアメリカの物より文字の絡みは少なく、外見はスケルトンに近い。
- イタリア
- 枠の形には制限がない。中に入れる単語は名詞(固有名詞を含む)に限定される。2つ以上の単語をつなげて入れることも認められる。盤面に黒マスがなく解きながら解答者が自分で黒マスを配置する形式の問題も多い。
- スウェーデン
- 黒マスの配置に制約は無い。カギが黒マスの中に記述されるのが特徴であり、これが日本のアロークロスの原型である。
[編集] 関連項目
[編集] 例題の解答
1ユ | 9ウ | 2シ | 3ヨ | 9ウ |
9ウ | . | 4マ | 9ル | . |
5リ | 6ア | . | 7ダ | 8シ |
. | 9サ | 10ザ | 9ン | 9カ |
11ネ | 9リ | 9マ | . | 9ク |