グランデ
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グランデ(grande)は「偉大」「大きい」を意味するラテン語で、英語の「グランド」(grand)に相当する。接頭語「グラン」(gran-)も。
- スペイン・カスティーリャ王国の貴族の特権保持者。本稿にて記述。
- 乗用車:トヨタ・マークIIのグレードの一つ。
- 乗用車:フィアット・プントのバリエーションの一つ。
- スターバックスコーヒーのカップサイズの呼称で、他社のLサイズに相当する。
- 規模の大きい商業施設に付されることもある(例:シェラトン・グランデ・トーキョーベイ、書泉グランデなど)。
グランデ(grande)とは、中世から近世までのカスティーリャ王国宮廷に存在した慣習の一つである。カスティーリャ王国の貴族の中には爵位とは別に、国王の前での脱帽(男子の場合)あるいは起立(女子の場合)義務を免除される特権を持つ者が存在した。こうした特権保持者がグランデである。
グランデの特権を与えられるのは通常、伯爵以上の貴族である。正式な場において国王が「○○○、脱帽のままで良い」と声をかけることでこの特権は授与され、以降は爵位に付随して世襲される。この特権は極めて名誉なものと考えられ、爵位の上下よりも重視された。例えばある家が、グランデの特権付きの伯爵位とグランデの特権の無い侯爵位を保持していた場合、グランデの特権付き伯爵位を名乗ることさえあった(オリバーレス伯爵)。
ちなみにグランデの特権は、他国から帰化した人物に授与されることもあった。例えばジェノバから帰化してロス・バルバセス侯爵位を与えられたスピノラ家は、当主のアンブロジオ・スピノラが帰化して間もない1620年代にグランデの特権を与えられている。