グローランサー
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グローランサー(GROW LANSER)は、アトラスから1999年11月25日に発売されたプレイステーション用ゲームソフト(Best版は続編である『グローランサーII』と2001年7月26日に同時発売)。及び同ゲームを1作目とするシリーズの総称。
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[編集] 概要
ジャンルはノンストップ・ドラマチックRPG。キャラクターデザインはうるし原智志。ジャンル通り、イベントが途切れることなく物語が進行していく長編RPG。三国大陸全てをゲームエリアに使い、広大なフィールドを有するが、一度でも行った街になら一瞬で移動できるテレポートを序盤に覚えてしまうため、この広大さを感じることは少ないかもしれない。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
宮廷魔術師サンドラが拾った子供はとても奇妙な子供だった。「世界を滅ぼす闇にも、世界を救う光にもなる」との占いが出たからだ。物語は、その子供が成長し、外の世界に飛び出すところから始まる。多くの仲間との出会いを経て、彼は闇となるのか光となるのか…。
[編集] 主要登場人物
※本作品では主人公の名前は自由に決められるため、カーマインという名前が固定されるのは続編の『グローランサーII』からであるが、ここでは主人公の名前はカーマインと表記する。
カーマイン・フォルスマイヤー(I:声なし/II:千葉進歩)
- 本作品の主人公。産まれてすぐ捨て子となるが、サンドラに拾われ育てられる。幼少の頃「世界を滅ぼす闇にも世界を救う光にもなる」と相反する予言を受ける。成長した彼がローランディア王国に仕官しようとするところから物語は始まっていく。オッドアイであり、右目が金色、左目が銀色となっている。
ティピ(豊口めぐみ)
- カーマインが旅立つ際にお目付け役としてつけられたホムンクルス(魔導生命体)。生みの母はサンドラ。見た目は人間だが体長は20cm程度しかなく、羽も生えている。体の大きさとは裏腹にカーマインに蹴りをかましたり指四の字固めをしたりと、とても元気なキャラクター。ホムンクルスの寿命は体の大きさに比例するため彼女の寿命は1-2年程度しかない。
- カーマインの義妹。皆既日食の日に産まれた強大な力を持つグローシアン。強力な魔法をも操るが本人は泣き虫で甘えたがり。魔法学院に通っており、学友のミーシャとはとても仲が良い。兄であるカーマインへの思いを胸に秘めている。
ミーシャ(豊嶋真千子)
- ルイセと同じ魔法学院に通う女の子。かなりドジで失敗ばかりしているが、それにめげない明るい性格を持つ。カーマインをお兄様と呼んで慕っている。身寄りのない自分を引き取り、魔法学院に入学させてくれたマクスウェル学院長に多大な感謝をしている。
ジュリア・ダグラス(手塚ちはる)
- 代々インペリアル・ナイトを輩出してきた名門ダグラス家に生まれた長女。インペリアル・ナイトになるために男性名としてジュリアンを名乗り厳しい教育を受けてきたが、のちのちジュリアンが女であることが発覚することを恐れた父ダグラス卿により勘当される。失意の中、剣を捨てようとするがカーマインたちと出会うことで剣を振るう意味を知り立ち直る。インペリアル・ナイトとなった彼女は使命のためカーマイン達と剣を交えることとなる。
ウォレス(玄田哲章)
- 元ベルガー傭兵団の副団長。行方不明になった隊長ベルガーを探すため放浪の旅に出るが道中で出会った謎の仮面の男に襲われ両目と右腕を失う。サンドラに義手と義眼を作ってもらい、その恩からカーマインの旅に付き合う。
アリオスト(三木眞一郎)
- 魔法学院に研究室を持つ、若き天才魔導研究家。フェザリアンの母と人間の父を持つ混血児。母に会うために今はフェザリアンに関する研究を進めている。ミーシャに思いを寄せている。
ゼノス・ラングレー(遠近孝一)
- 大剣を振るう、さすらいの傭兵。母親違いの義妹であるカレンを護ることを第一に考える。闘技大会でカーマインに負けてからは彼の人生には闇が付き纏う。ある事情により重大な罪を犯す。
エリオット(鶴野恭子)
- 品のある風格を漂わせる少年。バーンシュタイン王国の王子であるリシャールと顔が瓜二つ。若干控えめな性格だったが、目的のためにカーマインたちと旅を続けるうちに堂々とした風格を身につける。
サンドラ・フォルスマイヤー(二木静美)
- カーマインの義母で、ルイセの母。ローランディア王国の宮廷魔術師でヴェンツェルの弟子。ティピを始め、魔導研究による産物でカーマインを助ける。
リシャール(鶴野恭子)
- バーンシュタイン国王子。王子でありながら卓越した剣術を持ち、14歳という若さでインペリアル・ナイトを統べるインペリアル・ナイツ・マスターとなる。傲慢な性格ながら民の平和を第一に考える良王だったが、突然急変し隣国に対し攻撃を始め、世界に戦禍を広げる。
アーネスト・ライエル(置鮎龍太郎)
- インペリアル・ナイトの一人。二本の剣を華麗にさばき敵を倒す。リシャールとオスカーとは幼少からの親友で、何より二人を大切に思う優しさと、情け容赦なく敵を倒す非情さを併せ持つ。
オスカー・リーヴス(上田祐司)
- インペリアル・ナイトの一人。巨大な鎌を振るう。温厚な性格だがローランディア王国の兵士100人を一人で倒すほどの実力者。リシャールとライエルのためにあえてリシャールの敵であるカーマインに協力する。
ヴェンツェル(江川央生)
- ランザック王国お抱えの魔術家で元魔法学院長。サンドラの師で膨大な知識を持つ。温厚な好々爺だが一つの野望が彼の中に眠っている。
ゲヴェル(滝下毅)
- かつて世界を支配しようとした伝説の怪物。元はフェザリアンが作った生物兵器。魔水晶に5体ほど封印されていたがそのうちの1体が目覚めた。かつては力で世界を支配しようとしたが失敗し、今度は人間社会を裏から操る方法を取る。人間の細胞からクローンを作り出すことができ、ある人物のクローンを作り出した。
ベルガー
- ウォレスが探している人物。この物語の多くの鍵を握る。
マクスウェル
- 魔法学院長。とても優しく沢山の生徒に人気がある。ミーシャの保護者代わりとして面倒を見ている。グローシアンの研究を続け、ある結論に至る。
[編集] 用語
- グローシュ
- 大気中に存在するエネルギー。時空のひずみに存在し、そこから流れ出して大気中に広がる。魔法を使うときに必要となる物だが、現在は微々たる量しか存在しない。一般にひずみの大きい北側に多く存在し、南側には殆ど存在しない。生まれ付いて体内にグローシュを持つ者をグローシアンと呼ぶ
- グローシアン
- グローシュを持って生まれた人々。厳密には時空のひずみから本能的にグローシュを引き出して使うことができる人々のこと。そのため一般人よりも強大な魔法が使える。太古の昔は多くの人間がグローシアンであったが、現在は日食や月食の日に生まれたごくわずかな人間しかグローシアンになれない。月食<日食<皆既月食<皆既日食の順番で力が強くなる。
- 三国大陸
- ローランディア王国、バーンシュタイン王国、ランザック王国を一まとめにした呼び名。
- ローランディア王国
- カーマインの母国。穏健なアルカディウス王が統治するため治安の良い国となっている。
- バーンシュタイン王国
- 大陸最強のインペリアル・ナイト騎士団を擁する王国。国政もインペリアル・ナイツ・マスターも王であるリシャール自らが勤める権力一点集中型。他国を力で支配する軍事路線を取る。
- ランザック王国
- 国土の多くが砂漠で、領土も南に位置するため魔法も他二国に及ばない三国中最も国力の弱い王国。少しでも他国と差を埋めるためヴェンツェルを擁したりもした。もともと多数の部族が集まって建国した国なので国内の結束力はあまり強くない。
- 魔法学院
- 知識の偏りをなくすためにローランディアとバーンシュタインが共同で作った魔法学問施設。場所も両国の国境上にあり完全な中立施設となっている。ルイセ、ミーシャ等をはじめ多くの学生が存在するが学問所よりも研究所としての役割が強い。新たな魔法、魔法技術の発見や開発を目標に研究を続けている。
- インペリアル・ナイト
- バーンシュタイン王国近衛第一騎士団所属騎士。一人で兵士100人分の力を持つと言われている。叙任には実力だけでなく一流の品格や知性なども要される。登場するインペリアル・ナイトはアーネスト、オスカー、ジュリア、そしてマスターのリシャールの4人。
- シャドー・ナイト
- バーンシュタイン王国所属諜報部隊。暗殺やスパイ活動など裏の仕事を引き受けるいわゆるバーンシュタインの裏の顔。秘密裏に作られた組織ゆえ、その存在を知るものはごく少数。
- フェザリアン
- 背中に羽を持つ人種。空に隔離されたフェザーランドに住む。魔法は使えないが人間よりも高度な科学力を持つ。個よりも集団を重視する考え方を持ち、戒律を遵守し、破ったものには厳しい罰を与える。
- 時空干渉能力
- 一時的に時空のひずみを大きくして多くのグローシュを生み出す能力。またそれを利用して周囲の人間をグローシアンにすることもできる。ただし、極度の疲労が伴う上に、時空のゆがみを大きくしてしまうため多用はできない。
- パワーストーン
- 世界の因果律を歪め様々な奇跡を起こす秘石。しかし使用後は大規模な自然災害が起こったりとその副作用は大きい。また精製に一国の民ほどのグローシアンを必要とするため現存する物以外の精製はほぼ不可能。
[編集] シリーズ一覧
- グローランサーII
- グローランサーIII
- グローランサーIV
- グローランサーIV Return
- グローランサーV
- グローランサーV ジェネレーションズ