コバヤシマル
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コバヤシマル(Kobayashi Maru)とはアメリカのSFテレビドラマ『スタートレック』の劇場版二作目『スタートレックII カーンの逆襲』に登場する架空の宇宙船。ただし作品世界内においても架空の存在であり、23世紀の宇宙艦隊アカデミーにおけるシミュレーション課題の一つ「コバヤシマル・シナリオ」の題材とされている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] コバヤシマル・シナリオ
民間の貨物船コバヤシマルがクリンゴン帝国との緩衝宙域近くで故障し、クリンゴン側へ漂流していくという想定。救難信号を受けた候補生たちは宇宙艦の指揮官および士官としてコバヤシマルを救助しなければならないが、そのためには緩衝宙域を超えクリンゴン領宙を侵犯する事となり、結果複数のクリンゴン艦からの攻撃を受け、交戦状態に突入する。
実はこのテスト、どう行動しても最後は候補生たちが負け、すなわちコバヤシマル救出に失敗の挙句、全滅を免れないシナリオになっている。絶望的な状況におかれてもいかに的確な対応がとれるかどうか、それを見極めるためのものである。
[編集] コバヤシマルとカーク
艦隊アカデミーの歴史上、コバヤシマル・シナリオに勝ってしまった唯一の候補生がジェイムズ・カークである。彼は試験の前日に実習室へ侵入し、シミュレーション用のプログラムを書き換えていたのだ。
なお、「コバヤシマル・シナリオは決して勝てないようになっている」事は候補生には知らされていないはずであり、カークがなぜそれを知っていたかは不明である。
[編集] コバヤシマルのボードゲーム
ウェストエンドゲームズから出版された「スタートレック3」というソリテアゲームを3点集めたゲームの一つに「コバヤシマル」がある。「スタートレック」という架空世界の「コバヤシマルシミュレーション」という模擬演習のボードゲームというメタメタなゲームである。
[編集] 他作品のコバヤシマル
- 「コバヤシマル・シナリオ」という名前ではないが、ジェリー・アンダーソン製作の人形劇『スティングレイ』のエピソード『サイクロン・ジェット機出動』で、フィッシャー少尉がスティングレイ乗務員になるために受けるテストがやはり「絶対失敗するミッション」であった。
- 同じく名前は異なるが、『戦国自衛隊1549』で、鹿島勇祐は演習シナリオ「D-3」をプログラムを変える形で攻略する。なおスタッフは「スタートレックからネタをいただいた」と公言している。
- ハリウッド版『GODZILLA』のゴジラは姿形からゴジラではないとよく言われるが、じつはその名前は最初に目撃した「小林丸」の乗組員が証言していたからつけられたのであり、本物と違うと言えば違うとも言える。
- 漫画『機動戦士ガンダムF90』にはジュピトリス級超大型輸送船コバヤシ丸が登場する。
- 漫画『陸軍中野予備校』の主人公、酢堂大雑の愛犬の名前は「コバヤシ丸」である。同作にはジェネシス軟膏といったアイテムも登場することから、スタートレックに由来する命名と思われる。
- SF小説『彗星狩り』(笹本祐一著)において、病院船として「コバヤシマル」が登場する。