サバット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サバットまたはサファーデ(英語読みはソバット)、ボクス・フランセーズ(フランス式ボクシング)は、ブルボン朝時代にフランスで紳士の護身術として広まった格闘技。日本では蹴り技主体の格闘技として知られている。
目次 |
[編集] 概要
ブーツを履いて戦う為、靴を利用した足首から先を使った蹴りが多い。当時のフランスでは靴にナイフを仕込む輩が多かったので、キックボクシングのように脛で蹴りを受けるとポイントを取られる。ジェラルド・ゴルドーや、K-1王者のアーネスト・ホーストがサバットのチャンピオンである。
サバットが一番似ている格闘技にキックボクシング(ムエタイ)があるが、膝、肘の攻撃、ナックルパート以外の腕での攻撃(バックブロー等)、靴以外での足の攻撃(脛の部分で蹴る等)、踵落しが禁止されているなど、そのルールにはかなりの差異が存在する。
これはサバットの固有性を守るためにできたルールだと思われる。
サバットでは接近時に膝蹴りが使えず、他の近距離で使える足技も2種類あるが技術的に難しい為に、インファイトにおいてはほぼ手技のみで対応することになり、ナックルパート以外での攻撃も禁止なので、極めてボクシングに近い状態となる。
そのため、サバットでは、フットワークを使い、遠くからキックで間合いを計り、なおかつ牽制しながら相手の出方を探り、タイミングを見計らって遠い間合いから一気に跳び込んでパンチで止めを刺すという戦い方がセオリーとなっている。
何故、遠くからなのかというと、キックボクシングの場合、ローキックを打つ時には軸足を返さないので近距離でしか打てないが、サバットの場合、ローキックを打つ時でも軸足を返すので、キックボクシングのローキックよりも遠くの相手に当てることが可能となる。
通常サバットは防御重視なので、どんな攻撃をする際も必ずガードは固めたまま攻撃をするのがセオリーだ。キックボクシングの場合、キックを打つ際には蹴る足と同じ方の手を引く。それでガードが空いてしまうが、サバットは違う。常にガードは固めておく。
[編集] 試合形式
サバットにはコンバと呼ばれるフルコンタクト形式。アソーと呼ばれる技術とスピードを重視してポイントで判定するライトコンタクト形式。2人組で演武するディオ形式の3種類の形式が存在する。ただし、最後のディオはあまり普及していない。