サマーズ級駆逐艦
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サマーズ級駆逐艦 | |
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艦級概観 | |
艦種 | 駆逐艦 |
艦名 | 海軍功労者。一番艦はリチャード・サマーズに因む。 |
前級 | バッグレイ級駆逐艦 |
次級 | ベンハム級駆逐艦 |
性能諸元 | |
排水量 | 基準:1,850t 満載:2,905t |
全長 | 116.12m (381 ft) |
全幅 | 11.25m (36 ft 11 in) |
吃水 | 4.26m (14 ft) |
機関 | ボイラー2基・タービン2基2軸推進 52,000 shp |
最大速力 | 39.0ノット |
航続距離 | 12ノットで6500海里 |
乗員 | 294名 |
武装 | 5インチ連装砲:4基8門 |
12.7mm単装機関銃:2門 | |
28mm機関砲:8門 | |
533mm魚雷発射管:4基12門 | |
爆雷投下軌条:2基 | |
爆雷:14個 |
サマーズ級駆逐艦( - きゅう くちくかん、Somers class Destroyers)は、アメリカ海軍の駆逐艦の艦級。ポーター級駆逐艦を元に設計された嚮導駆逐艦。一番艦は、リチャード・サマーズに因み命名されている。
目次 |
[編集] 概要
前ポーター級から艦首楼型船体や38口径5インチ連装砲塔4基を踏襲しているが、艦橋や後楼の高さを抑えるなど前級でも問題になったトップヘビー傾向を軽減するため一部変更された。また、機関は高出力のボイラーに変更し、煙突は単煙突化することで甲板中央部に余裕を作り、4連装魚雷発射管を前級よりも1基多い3基(射線12、片舷12)を装備した。しかし、マハン級駆逐艦で問題となった魚雷発射管の荒天時運用を解決するために発射管の配置を一段上げ、対空もできて装甲化された5インチ両用砲に変更するなど、かえってトップヘビーを悪化させる結果になった。そのため、竣工後に魚雷発射管や後楼の構造物の撤去を行った。
1934年計画で2隻、1935年に3隻の計5隻を計画、建造した。竣工後は上記の撤去工事後、訓練を行った。第二次世界大戦の勃発後は主に大西洋で哨戒任務にあたり、太平洋戦争が始まった後も護衛、哨戒任務に従事した。嚮導駆逐艦として建造された当級であったが、日本海軍同様に嚮導艦の役目は軽巡洋艦が受けもち、駆逐艦の大型化が進んだため嚮導艦として運用されず、アメリカ海軍が建造した最後の嚮導駆逐艦となった。
ウォリントンとサンプソンの2隻は太平洋戦線のニューギニア方面で支援任務に参加したが、このうちのウォリントンは1944年の訓練中、暴風雨に遭遇、トップヘビーが災いしてバハマ沖で沈没してしまった。その他の艦は大きな海戦に参加することなく、生存艦は1945年に退役し、1946年から1947年にかけて売却、処分された。
[編集] 同型艦
- サマーズ・二代目(USS Somers, DD-381)
- ウォリントン(USS Warrington, DD-383)
- サンプソン(USS Sampson, DD-384)
- デイビス(USS Davis, DD-385)
- ジュエット(USS Jouett, DD-386)