サラトフ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サラトフ(サラートフ;ロシア語:Саратовサラータフ;Saratov)はロシア連邦の都市。沿ヴォルガ連邦管区に含まれるサラトフ州の州都。ヴォルガ川有数の河港を持つほか、鉄道が通り、交通の要衝。国際線のサラートフ中央空港を持つ。人口は866,600人(2001年)。
工業、文化、教育の中心であり、オペラ・バレエ劇場(1962年)、音楽院(1912年)、サーカス、コンサートホール、博物館、ラジーシチェフ記念美術館(1885年)、多くの高等教育機関がある。自動車工業、石油化学工業が盛ん。また、サラートフ航空機工場では多くの航空機が生産された。また、サッカーチーム「ソーコル・サラートフ」を保有する。
町の名はタタール語で「黄色い山」を意味するサル・タウ(Sary Tau)から。
目次 |
[編集] 歴史
1590年、ヴォルガ川の海運の保安のために、ヴォルガ川右岸に要塞が建設された。1613年の火災で、左岸のサラトフ川との合流点に移動されたのち、1674年に現在の位置に移された。1708年に都市として登録され、1780年以降、サラトフ県の中心都市。ヴォルガ・ドイツ人の入植が進められた地域で、ドイツ人コミュニティーが存在した。1870年に鉄道でモスクワと結ばれてから大きく発展した。
[編集] 交通
サラートフ中央空港は国際空港であるが、モスクワ便が多く運航されている。また、中央空港を本拠とする航空会社サラーヴィアもある。
南東鉄道のサラートフ第1旅客駅は、市の中心駅となっている。
市内にはサラートフ市電が敷かれ、他のヴォルガ川沿岸都市と同様に河川港が置かれている。
対岸のエンゲリスへ向かってヴォルガ川に架けられたサラートフ橋は、建設当時はヨーロッパ最長の橋梁であった。
[編集] 有名な出身者
サラトフは多くの著名人に関係する町であり、関係する人物の中には作家ミハイル・ブルガーコフや詩人ガブリラ・デルジャーヴィン、生物学者ニコライ・ヴァヴィロフ、画家ミハイル・ヴルーベリ、建築家フョードル・シェクテリ、化学者ニコライ・ジーニン、作曲家アルフレット・シュニトケ、航空機設計士オリェーク・アントーノフなどがいる。
また、ニコライ・チェルヌイシェフスキーの生家があり、ニコライ・チェルヌイシェフスキー博物館として公開されている。