サルスティウス
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ガイウス・サルスティウス・クリスプス（Gaius Sallustius Crispus, 紀元前86年 - 紀元前35年）は、紀元前1世紀のローマの政治家、歴史家。
イタリアのサビニ人の町アミテルヌム (Amiternum) で生まれた。クァエストル（財務官）、護民官を歴任し、ガイウス・ユリウス・カエサルと同じく民衆派に属した。カエサル派のクロディウスをミロが殺したときには、ミロをかばったキケロを攻撃した。カエサルとポンペイウスの対立が深刻になる中で、ケンソルに不道徳のかどで告発され、元老院を追放された。
前49年にはじまったカエサルとポンペイウスの内戦では、カエサルを助けて戦った。アフリカ戦役でケルキナ島を占領し、その地の食糧を軍に供給した。カエサルの後押しで二度目の財務官からプラエトル（法務官）となり、アフリカ・ノウァ属州総督となった。カエサルが暗殺されると、政治から引退した。
属州総督時代に富を蓄え、後代に皇帝のものとなる豪華なサルスティウス庭園 (holti Sallustiani) を造った。
自身に子はなく、同族から同名の養子ガイウス・サルスティウス・クリスプスを迎えた。この養子はアウグストゥス、ティベリウスの私的な側近の地位を得た。
主著『歴史』は引退後の著作で、ラテン語で書かれた大著であったが、大部分が失われた。「カティリナ戦記 (Bellum Catilinae) 」と「ユグルタ戦記 (Bellum Iugurthinum) 」のほとんどが今日まで伝わる。元老院に拠るローマ貴族に対して批判的で、共和政ローマの政治の腐敗を記した。
[編集] サルスティウスの年譜 （年齢は概数）
- 前112年-前106年 ユグルタ戦争。
- 前86年 （ 0歳） イタリアのアミテルヌム市で生まれた。
- 前63年 （23歳） カティリナの陰謀事件。
- 前55年 （31歳） 財務官に選ばれた。
- 前52年 （34歳） 護民官に選ばれた。
- 前50年 （36歳） 元老院を追放された。
- 前49年 （37歳） カエサル軍に従軍した。
- 前47年 （39歳） 財務官に再び選ばれた。
- 前46年 （40歳） 法務官に選ばれた。アフリカ・ノウァ属州総督
- 前44年 （42歳） カエサル暗殺を機に政界から引退した。
- 前35年 （51歳） 死去。
