サンソン図法
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サンソン図法(サンソンずほう)は、地図投影法の一種である。
フランス地理学の祖と言われるニコラ・サンソン(Nicolas Sanson, 1600年-1667年)が、1650年発行の地図帳に用いたことからこの名前がついているが、実際の考案者は分かっておらず、16世紀からジェラール・メルカトルのものを含むいくつかの地図帳に用いられていた。経線が正弦曲線(サインカーブ)で表されることから正弦曲線図法(sinusoidal projection)とも呼ばれる。
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[編集] 特徴
擬円筒図法に分類される。また、地図上の任意の場所で実際の面積との比が等しくなる正積図法である。正軸の場合、赤道上と中央経線(曲線ではなく直線で表される経線)上での距離の比が等しい。
同じ正積・擬円筒図法に分類されるモルワイデ図法と比較されることが多い。 サンソン図法では地図の中心付近は正しい形で表される。対するモルワイデ図法では赤道付近が縦方向に伸びた形で表される。極部分では、経線が楕円として表されるモルワイデ図法と違い、両極に経線が直線的に集まるため、周辺部ではひずみが大きくなり、正しい形で表されない。
地球全体を表す主題図としては適さないが、他の図法に比べて計算が容易であるという長所を持っている。
[編集] 投影式
正軸において、経度λ、緯度φ(単位は共にラジアン)、地球半径Rを用いて、
- x = Rλ cosφ
- y = Rφ
で表される。
Rを実際の地球半径(6378km)として1:1の地図を出力すると、縦20,037km、横40,074kmとなる。
[編集] サンソン図法を利用した他の図法
- グード図法(ホモロサイン図法)
- 断裂サンソン図法
- 上記の断裂法を、サンソン図法そのものに適応したもの。