ザ・クルセイダーズ
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ザ・クルセイダーズ(The Crusaders)とは、主に1970年代に活躍したアメリカのフュージョングループ。ジャズ・クルセイダーズを前身とする。
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[編集] 歴史
もともとはテキサスのハイスクールで同級生だったウェイン・ヘンダーソン(Tb) ウィルトン・フェルダー(T.Sax) ジョー・サンプル(Key) スティックス・フーパー(Dr) の4人が結成したグループで、何度かグループ名を変更した後、1961年にジャズ・クルセイダーズとしてアルバム「フリーダム・サウンド」でメジャーデビューした。
その後1971年にグループ名を「ザ・クルセイダーズ」とし、アルバム「パス・ザ・プレイト」を発表。1972年に発表した「クルセイダーズ1」が高い評価を得、続く「セカンド・クルセイド」「アンサング・ヒーローズ」等によりジャズのみならずポピュラー・ミュージックのファン層にも浸透し、1970年代フュージョン・シーンを代表するグループとなる。
そのサウンドは、トロンボーンとテナーサックスという低音域楽器によるアンサンブルに、スティックス・フーパーによる独特でファンキーなリズムとジョー・サンプルのフェンダー・エレクトリック・ピアノによるバッキングやソロ・プレイがからむことにより醸しだされる、暖かくしかも洗練されたフィーリングが特徴である。
その後も次々とアルバムを発表するが、1976年に結成以来のオリジナル・メンバーであるウェイン・ヘンダーソンと、最初期から準メンバーとして参加しており1974年に正式メンバーとなっていたラリー・カールトンが脱退し、1983年にはスティックス・フーパーが脱退するにいたって、グループとしての形態は維持できなくなり、ウィルトン・フェルダーとジョー・サンプルのユニットに、そのつどゲストミュージシャンを参加させるというスタイルで活動を続けていた。
その活動も、1991年に発表された「ヒーリング・ザ・ウーンズ」を最後に事実上停止していたが、1992年に突如としてウェイン・ヘンダーソンとウィルトン・フェルダーが「ネクスト・クルセイド」を名乗ってアルバム「バック・トウ・ザ・クルーヴ」を発表。さらに1995年、「ジャズ・クルセイダーズ」名義で、アルバム「ハッピー・アゲイン」を発表する。
新生ジャズ・クルセイダーズとして数枚のアルバムが発表された後、今度は2002年にウィルトン・フェルダー、ジョー・サンプル、スティックス・フーパーによって「ザ・クルセイダーズ」名義で「ルーラル・リニューアル」が発表され、ほぼオリジナル・メンバーからなるグループ再結成(活動再開)が成った。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] ジャズ・クルセイダーズ時代
- フリーダム・サウンド (1961)
- ジャズ・クルセイダーズ (1966)
- ライヴ・アット・ザ・ライトハウス66 (1966)
- ウー・ハー (1967)
- ウーガ・ブーガルー/ライトハウス68 (1968)
- ライトハウス69 (1969)
- オールド・ソックス、ニュー・シューズ (1970)
[編集] クルセイダーズ時代
- パス・ザ・プレイト (1971)
- クルセイダーズ1 (1972)
- ハリウッド (1972)
- セカンド・クルセイド (1973)
- アンサング・ヒーローズ (1973)
- スクラッチ(ライヴ) (1974)
- サザン・コンフォート (1974)
- チェイン・リアクション (1975)
- 南から来た十字軍 (1976)
- 旋風(かぜ)に舞う (1977)
- イメージ (1978)
- ストリート・ライフ (1979)
- ラプソディー&ブルース (1980)
- スタンディング・トール (1981)
- 音楽会(ライヴ) (1981)
- ロイヤル・ジャム(ライヴ) (1982)
- ゲットー・ブラスター (84)
- グッド・アンド・バッド・タイムス (1986)
- ライフ・イン・ザ・モダン・ワールド (1988)
- ヒーリング・ザ・ウーンズ (1991)
[編集] 新生ジャズ・クルセイダーズ時代
※ネクスト・クルセイド名義を含む
- バック・トウ・ザ・グルーヴ (1992)
- スケッチズ・オブ・ライフ (1993)
- ハッピー・アゲイン (1995)
- ルイジアナ・ホット・ソース (1996)
- ブレイクン・ダ・ルールズ (1998)
[編集] 新生クルセイダーズ時代
- ルーラル・リニューアル (2002)
- ライヴ・イン・ジャパン(ライヴ) (2003)
[編集] その他
- フュージョンはおろかクロスオーバーという言葉もなかった時代から、ジャズという既成概念にとらわれずにさまざまなジャンルの音楽を取り込み、独自の音楽世界を表現しようとしてきた点に、このグループの革新性がある。「Mr.335」ラリー・カールトンという、のちのフュージョン・シーンを牽引するトップ・ギタリストを、グループの結成初期から準メンバーとして参加させていたところにもそれが顕われているといえる。
- スティックス・フーパーのドラミングは、他に類を見ないほどに独特なファンキー・リズムだが、それに最もマッチするのが実はウィルトン・フェルダーの弾くエレクトリック・ベースであるというのは知られた話である。そのため、初期のスタジオ・レコーディングではウィルトン・フェルダーがテナーサックスとベースの一人二役を担当することが多かった。
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