システム監査技術者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
システム監査技術者(略称システム監査、もしくはAU)とは、情報処理技術者試験の一区分であるシステム監査技術者試験に合格した者に認定される資格である。この資格は被監査部門から独立した立場で、経営者の視点で、情報処理システムを幅広い観点から調査し、システムが経営に貢献しているかを判断するシステム監査人を対象とし、その能力を認定する。合格率は例年6~8%程度と低い。この区分は、高度情報処理技術者に分類されている。また、システムアナリストと並び、情報処理技術者試験の最高位と目される区分である。
元々は1985年より開始された情報処理システム監査技術者という区分であったが、1994年より現在の名称に変更されている。1985年から2000年までは受験に年齢制限(受験する年の4月1日時点で満27歳以上であること)があった。さらに1995年からは、受験に際し業務経歴書の提出を行う必要があった。この区分は2001年に行われた情報処理技術者試験の大規模改訂後も存続しているが、年齢や業務経歴書の提出といった必要事項は廃止されている。
以後システム監査技術者試験について述べる。
目次 |
[編集] 試験
例年、4月の第3日曜日に春期情報処理技術者試験の一区分として行われる。
午前試験は多岐選択式、午後試験は記述式と論文式に分かれている。
[編集] 午前
マークシート式で55問出題され、全問解答しなければならない。試験はIRT(項目応答理論)によって採点され、800点満点中600点以上で合格である。
[編集] 午後I
情報処理システムの監査及び評価に関する問題が4題出題され、うち2題が必須、残りの2題のうち1題を選択する。3題均等配点に基づく採点で、800点満点中600点以上で合格である。
[編集] 午後II
3つのテーマから1つを選んで、そのテーマに沿った業務経験を800字にまとめ、さらに設問に対する小論文(2400字)を書く。採点はA,B,C,Dの4段階で評価され、Aのみ合格となる。
[編集] 試験の評価
システムを外部から、経営者の視点に立って監査するという性質上、受験生は他の情報処理技術者試験とは違い、技術者と言うよりも経営者側に立つ人が多い。また、本来監査業務を独占業務としている公認会計士にも受験者・資格所持者が多い。
ただ情報処理技術者試験全般に言えることだが、この試験に合格したからと言って本当にシステム監査の経験を十分に積んだ者とは限らない。そこでこの試験合格者を主に対象として、システム監査の実績や経験を認定する組織がいくつか存在している。
[編集] 外部リンク
[編集] 情報処理技術者センター
[編集] システム監査基準、システム管理基準
経済産業省が公表している、システム監査の基準文書。
[編集] システム監査を対象とした組織
システム監査技術者に対する独自・専門的な監査資格を制定、認定している。