シャクンタラー
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シャクンタラー
- インド神話に登場する女性。
- シャクンタラー(Śakuntala)は、古代インド・グプタ朝(320~550)時代に成立した戯曲。正確にはアビジュニャーナシャクンタラー(指輪によって思い出されたシャクンタラ-)。本項目で記述。
- シャクンタラー(Sakuntala)は、カール・ゴルトマルクが作曲した演奏会用序曲の一。
シャクンタラー (Abhinana-Sakuntala) は、インドの最も有名な古典戯曲、あるいはそのヒロインの名。カーリダーサが叙事詩『マハーバーラタ』の1挿話を7幕の戯曲として改作したもので、仙人の養女シャクンタラーとドフシャンタ王との数奇な恋物語を描く。成立はグプタ朝(320~550)。サンスクリット語で書かれており、サンスクリット語が公用語とされはじめた時代の代表作である。同時期に成立した文学作品として『マハーバーラタ』『ラーマーヤナ』がある。
ヨーロッパに広く知られるようになったのは1789年、ウィリアム・ジョーンズの英訳がきっかけである。2年後にその独訳が出版されると、これが大変な反響を呼び、ゲーテにも影響を与えた。
日本語訳は岩波文庫から刊行されている。
[編集] あらすじ
シャクンタラーは、アプサラスのメーナカーと、クシャトリヤ出身の大聖ヴィシュヴァーミトラとの間に生まれた女性である。あるとき、プル家の血を引くドフシャンタ王は、狩の最中に出会ったシャクンタラーと恋に落ち、結婚する。そして王は結婚のしるしとして指輪を贈る。ところがシャクンタラーは、ドゥルヴァーサス仙の怒りを買い、呪いをかけられ、ドフシャンタ王はシャクンタラーのことを忘れてしまう。この呪いは彼女が王からもらった指輪を、王に見せさえすれば解けるはずであったが、シャクンタラーは沐浴の際にこれを失ってしまい、王は彼女が訪ねてきても思い出せない。悲しみの中、彼女は母(?)にさらわれて天界に昇ってしまう。後に王は漁夫が発見した指輪によって記憶を取り戻すのだが。そしてインドラ神が御者マリーチを通じて悪魔征服の援助を王に依頼してきたおり、王は天界に上る機会を得、そこでわが子と対面し、シャクンタラーと再会する。