シュメール語
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シュメール語は古代メソポタミアで使用された言語である。少なくとも紀元前4千年紀にはその使用が確認されており、筆記された言語としては最古のものである。時代が進むにつれアッカド語に押され、紀元前2000年頃から200年あまりの間に口語としては死語となった。しかし、古代メソポタミア社会において宗教語、学者語として長く受け継がれ、ヨーロッパにおけるラテン語やインドにおけるサンスクリット語に類似した地位を与えられた。
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[編集] 系統
シュメール語と同系統と考えられる言語はこれまでのところ発見されていない。シュメール語圏にはセム語を話す人々が混住していたが、セム語との系統関係は認められない。近年エラム語とシュメール語の系統関係の存在を主張する者もいるが、両言語の関係を示す証拠はほとんど無く学会では受け入れられていない。一般には系統不明とされる。
[編集] 時代区分
- 原シュメール語 - 紀元前2600年以前
- 古シュメール語 - 紀元前2600年 - 紀元前2300年頃
- 新シュメール語 - 紀元前2300年 - 紀元前2000年頃
- 後シュメール語 - 紀元前2000年以降
[編集] 文法
一般に膠着語に分類されている。語順は、主語-目的語-動詞の順序を取り、冠詞は存在しない。また能格を持ち、同じ単語を連続させることで複数を表わした。
[編集] 表記
シュメール語が使用されていた時代には専ら楔形文字で表記された。最も古い文書の中にはまだ楔形の形態を取らない絵文字(古拙文字)で表記されたものも存在する。現代では研究を容易にするためにアルファベットを用いて音訳表記もなされる。ただしシュメール語では同音異義語(同音異字)が多く存在するため、アルファベット表記にした際に判別が困難になる問題があり、数字を付加することで対応している。(例えばdu「行く」、du3「建てる」。duの異義語は20を超える。)
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