ジストニア
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ジストニア(dystonia)は中枢神経系の障害による不随意で持続的な筋収縮にかかわる運動障害の総称。姿勢異常や、全身あるいは身体の一部が捻れたり硬直、痙攣といった症状が起きる。主なものに眼瞼痙攣、痙性斜頸、書痙などがある。 日本神経学会の用語では「ジストニー」と表記される。
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[編集] 特徴
- 常同性
- ジストニアによる姿勢異常や運動パターンは患者毎に常に同じであり、日によって姿勢や痛いところが違う、ということはない。
- 動作特異性
- ある動作をしようとするとジストニアの症状が出る、ということがある。典型的なものが書痙で、字を書く時だけのみ痙攣が起きる、というものである。似たものに職業性ジストニアがある。
- 感覚トリック
- 特定の感覚的な刺激によって症状が軽快することがある。例えば、痙性斜頸で頬に手を当てるだけで首の曲がりが一時的に改善されたり、眼瞼痙攣ではサングラス着用などで光刺激を減らすと症状が改善される等。
- 早朝効果
- ジストニア患者は起床時に症状が軽い、ということがある。
- オーバーフロー現象
- ある動作を行う際、その動きに本来不必要な筋が不随意に収縮する現象。
- フリップフロップ現象
- 症状があるきっかけで急に増悪したり軽快する現象。
[編集] 分類
一次性(原発性)ジストニアと二次性(続発性)ジストニアとに大別される。 一次性ジストニアとは、他に原因となる要素が見当たらないもの、二次性ジストニアは薬剤性によるものや、遺伝性の神経変性疾患といった他に原因となる要素のあるものを指す。 なお、心因性ジストニアというものもあるが、二次性には含めない。
[編集] 治療
- 薬物療法
- ボツリヌス療法
- ごく微量のボツリヌストキシンを痙攣の起きている筋肉に注射し筋緊張を緩める治療法。日本の保険制度では他の治療法に比べ高額だが、効果は高い。個人差があるものの、一般的に効果は2日〜1週間で発現し、概ね3〜4ヶ月で減弱する。痛みにも効果がある。
- 神経ブロック
- エタノール、フェノールなどで神経を破壊し人工的に麻痺状態を作ることで、不随意運動を軽減する治療。また、前述の薬品を筋肉内に注射するMAB(muscle afferent block)という治療もある。日本の保険制度においては、ボツリヌス療法に比べ治療費が安いが、多くのデータでは有効率が劣る。
- 手術
- 眼瞼痙攣に対して眼輪筋切截術、痙性斜頸や書痙に対して定位脳手術などの手術が適用される場合がある。
- バクロフェン療法
[編集] 外部リンク
[編集] 参考文献
- ジストニアとボツリヌス治療 改訂第2版 (診断と治療社:2005念12月10日発行/著者;目崎高広、梶龍兒: ISBN 4-7878-1446-X)
- ジストニー (文光堂:2005年06月発行/著者;Pierre Rondot 監訳;平山惠造 訳;岡本保: ISBN 978-4-8306-1531-3 (4-8306-1531-1) C-CODE 3047)
- 不随意運動の診断と治療―動画で学べる神経疾患 (診断と治療社:2006年5月発行/編集;梶龍兒: ISBN 4-7878-1297-1)
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