ジャガー・XJR-9
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ジャガー・XJR-9は1988年世界スポーツプロトタイプカー選手権(WSPC)、及びIMSA用にトム・ウォーキンショー・レーシング(TWR)が製作したプロトタイプレーシングカーである。
デザインはトニー・サスウゲート。前年、前々年型のXJR-6、8の発展型で、エンジンはWSPC用(グループC)がⅤ型12気筒6.9リッター、IMSA用(GTP)が同6.0リッターエンジンを搭載する。
デビュー戦はIMSA開幕戦デイトナ24時間レースで、デビューウィンを飾る。WSPCデビューは開幕戦ヘレス(スペイン)。このレースでは優勝をザウバーメルセデス・C9にさらわれるが、以降3連勝して第5戦ル・マン24時間レースに挑む。ワークスポルシェとの一騎討ちとなり、歴史に残る激戦の末、XJR-9がジャガーに31年ぶりの優勝をもたらす。この年はWSPC全11戦中6勝をあげ2年連続二冠チャンピオンに輝く(ドライバーズタイトルはマーティン・ブランドルが獲得)。 一方TWRジャガーとしては初参加となったIMSAでは2勝に留まりチャンピオンの座は日産に譲ることとなる。
翌1989年、XJR-9は引き続きWSPC、IMSAに参戦するが、メルセデス、日産相手に苦戦し、シーズン途中からⅤ6ターボエンジン搭載のXJR-10(IMSA、3.0リッター)、11(WSPC、3.5リッター)にマシンをチェンジすることとなる。