スキップ・ビート!
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『スキップ・ビート!』は、仲村佳樹による少女漫画作品。「花とゆめ」(白泉社)に掲載。
自分を捨てた男に復讐すべく芸能界入りした主人公が、演技の面白さに気付き成長していく様を描く。芸能界を舞台にした漫画では「主人公が才能を見出されて」というパターンが比較的多い中、この作品の場合あくまで主人公が自力で上へ登っていく感が強い。途中から演技に重点が置かれていき、そのことに対する描写もしっかり描かれている。表情の描き方が細やかであり、かなりモノローグの多い作品ながら登場人物の本音はむしろ表情に表れていることが多い。作者独特のコメディータッチの強い作品ながら、主要な登場人物に暗い過去があったり、伏線が多かったりと単なるコメディーにとどまらない作品である。
目次 |
[編集] あらすじ
高校にも行かず、バイトに明け暮れる日々の主人公・最上キョーコは、超人気歌手で幼馴染の不破尚と同居していた。尚に献身的に尽くす毎日のキョーコだったが、ある日自分が単なる家政婦代わりに東京へつれてこられたことを知る。あっさりと尚に捨てられてしまったキョーコは尚に復讐すべく、芸能界へ挑戦する。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- 最上キョーコ(もがみ キョーコ)声優:長沢美樹
- LME芸能プロダクション「ラブミー部」所属タレント。
- 京都府出身。芸名は「京子」。16歳。
- かつて尚と同居していたが、家政婦扱いされていた事を知り、復讐のため芸能界入りを決意。
- LMEのオーディションで審査員に好印象を与えるものの、尚との一件で人間らしい愛情を忘れてしまってることが芸能人として致命的とされ、「ラブミー(Love Me)部」なる謎の部門に配属される事に。
- 当初は復讐心にのみ燃えていたが、ラブミー部として仕事をこなすうちに純粋に芝居を楽しめるようになる。
- そして、今まで自分が尚を始め他人のためにしか生きてこなかったことに気付き、自分を作るため演技の勉強をする。
- バラエティ番組のレギュラーとしてマスコット『坊(ニワトリの着ぐるみ)』をこなすが、尚と蓮に知られたくないため公表していない。
- 公式デビューは炭酸飲料『キュララ』のCM。
- 尚のPV(プロモーションビデオ)に出演したことで、ドラマ『DARK MOON』に大抜擢される。
- 生来かなりのメルヘン思考の持ち主で、妖精も信じている。
- 尚への長年の献身生活でもわかる通り、これと決めたらわき目もふらず一生懸命になる純粋な性格。
- 現在は世間ズレした部分と裏切られて芽生えた冷酷面(かなりギャグ化されてはいるが)とが入り混じり、まっすぐさの中にも複雑な要素を抱えた性格となっている。
- また、尚のため今まで棒に振ってきた女の子らしい行為(化粧や青春)に強烈な憧れを抱いており、その反面「2度と恋なんかしない」と固く心に誓っている。
- 10年前に出会い、一週間だけ仲良く遊んだ妖精(と本人は信じている)の男の子から貰った、紫がかかった石(菫青石)にその名を付け、落ち込んだときに気持ちを浮上させてくれるお守りがわりとして大切に持っている。
-
- 怨霊キョーコ
- 略して怨キョ。
- 怨霊キョーコ
- 文字通りキョーコの体から出てくる怨霊のような存在で、ほとんどの人には見えないが、金縛りやどつき攻撃に使える。
- キョーコの怒り具合によって5,6匹~無限大に発生。
- 元々尚に裏切られたときに出てきた存在なので、尚に対面するときが最も多く発生する。
- ただし、蓮の神々スマイルには浄化されてしまう。
- 不破尚(ふわ しょう)声優:神奈延年
- 本名 松太郎(ショータロー)。アカトキエージェンシー所属のビジュアル系歌手。
- 京都府出身。17歳。派手好き・女好きで俺様な性格の持ち主。
- 本名を嫌い極秘にしていたり、芸能界一いい男といわれる蓮に敵愾心を燃やして喧嘩を売ったりと子供っぽい反面、出すCDが毎回セールストップとなったり、曲作りを呼吸するようにこなしたりと顔だけでなく音楽的センスも相当のもの。
- 運動神経は良いがバトミントンは苦手。
- 好物はプリン。甘い玉子焼きは嫌い。
- キョーコとは幼馴染で、物心つく頃から一緒にいたキョーコの事を、妹分というより子分の様に見ていた。
- 上京し芸能界入りを果たした後、次第に家政婦代わりのように感じはじめた挙げ句にあっさり「捨てた」が、そもそも最初から恋愛対象として見ていなかった。
- 自らのPVで再会し、その予想外の容姿、演技力と過去のトラウマが相まって、初めて異性として意識する事になる。
- さらにVIE・GHOULとの対決に際してキョーコと係わる過程でその想いは明確なものとなったが、実は尚にとってこれが初恋ではないかと思われる。
- 敦賀蓮(つるが れん)声優:成田剣
- LME芸能プロダクション俳優部所属。
- 人気・実力ともに芸能界一の俳優。20歳。
- 体調がどんなに悪くても最高の演技を実現するまで休まなかったり、ブランドメーカー「アルマンディ」専属モデルの仕事もこなす反面、仕事以外の事には恐ろしく無頓着。4年前、日本へ来る前に暗い過去があったらしく、自分には幸せになる資格がないと思っている。
- 『DARK MOON』では主人公・橘嘉月(たちばな かつき)を演じている。
- 俳優の仕事を純粋に愛しているため、「復讐」のために芸能界入りをしたキョーコに意地悪な態度をとっていた。
- しかし、演技に目覚めてひたむきに頑張るキョーコを見るうちに、わだかまりが解け素直にその情熱に好意を持つようになる。実は幼いキョーコが会っていたコーンと同一人物なのだが、何等かの理由があってそれをキョーコに言えないでいる。
- さらに嘉月の演技に行き詰まり苦悩するなかでキョーコをはっきり女性として意識し、自分を抑えるのに苦労するほどその想いは強くなっているのだが、蓮もまたこれが初恋と思われる。
[編集] LME関係者
アカトキエージェンシーと勢力を二分する、大手芸能プロダクション「LME」の関係者。
- 琴南奏江(ことなみ かなえ)声優:田上由希子
- キョーコと同じ「ラブミー部」所属。
- 女優志望で演技力・暗記力が優れている。
- キョーコには「モー子さん」と呼ばれている。
- クールだが女優の夢にかける情熱は熱い。
- 他人と群れることを極端に嫌っていたが、キョーコと接してまとわりつかれるうちに態度が軟化、晴れてキョーコの親友第1号となる。
- 炭酸飲料『キュララ』のCMに出演する。
- また、飛鷹とドラマで共演する。
- 大家族で弟妹甥姪に慕われているが、ジャレつかれるのが嫌で自分で離れを作った。
- 現在は1人暮らし。
- 社倖一(やしろ ゆきひと)
- 蓮の敏腕マネージャー。
- 優しいお兄さんタイプだが、機械の天敵で例えば携帯電話を素手で持つと確実に10秒で壊してしまう。
- 殺到する蓮のファンを眼力だけで金縛りにするなど、やはり尋常ではない人物。
- キョーコと蓮の仲を応援している。25歳(どうやら独身らしい)
- ローリィ宝田(ローリィ たからだ)声優:銀河万丈
- LMEプロダクション社長。
- 異常にハイテンションで個性的。
- いつも何かのコスプレをしている。
- 演技の資質を持ちながら人間としての思いやりに欠けるキョーコと奏江を憂え、「ラブミー部」を設立した張本人。
- 見かけはかなりふざけているが、蓮の演技の欠陥に気づくなど切れ者の一面を見せている。
- 宝田マリア
- ローリィ宝田の孫娘、3~4巻のメインゲスト。
- 蓮とキョーコを慕っている。
- 幼くしてトップモデルの母を事故で失うが、それが自分が呼び寄せた道中だったことと、最愛の妻を亡くした父が思わず示してしまった拒絶とが、トラウマとなっていた。
- キョーコと出会い、その演技テストに乱入したことで、トラウマを克服し父の愛情を信じられるようになる。
- 椹武憲(さわら たけのり)声優:河野智之
- タレント部主任で1巻のゲストキャラ。41歳。
- キョーコの猛烈なアタックに根負けしてオーディションへ参加を認め、さらに「人間らしい愛情の欠落」ゆえに落選したキョーコに最初にこだわりを見せた人物。
- その後もキョーコのことは何かに付け気に掛けているようである。
[編集] DARK MOON関係者
伝説的なヒットを遂げた20年前のドラマ「月籠り」のリメイクである『DARK MOON』に、尚のPVでの演技をかわれて出演することになったキョーコが係わってゆく人々。
- 本郷未緒(ほんごう みお)
- キョーコが演じるキャラクター。
- 「月籠り」では長髪で隠していた幼い頃に姉に負わされた左額のキズを、「DARK MOON」ではショートにすることで常に姉をはじめとする周囲に見せつけている。
- このキズについてのキョーコの解釈が、ドラマ全体の流れと共演者の人生を変えて行くきっかけとなってゆく。
- 緒方啓文(おがた ひろあき)
- 本名、伊達啓文。DARK MOONの監督で、前作の監督(大尊)を父に持つ。27歳。10巻のメインゲスト。
- 周囲から向けられる視線が常に父を通して自らを見ることに苦しみ続け、それを克服するためにリメイクを決意する。
- 父の名を耳にすると過呼吸症状を招いて倒れてしまっていたが、蓮の言葉で立ち直る。
- さらにキョーコの解釈による未緒を目の当たりにし、見失いかけていた目指す道をつかみ取る。
- 百瀬逸美(ももせ いつみ)
- ヒロイン・本郷美月(ほんごう みづき)を演じる実力派新人女優。17歳。13巻のメインゲスト。
- プロ意識が高く、演技に対して真剣。
- そのため、不調の蓮より意外に実力のあるキョーコを買っており、それがキョーコと蓮の距離を一気に近づけるエピソードを導いたりもした。
- 新人の大抜擢ゆえと蓮と親しいためにキョーコを快く思わない同年代の共演者が多い中、逸美だけはキョーコと仲がいいようである。
- 飯塚寛子(いいづか ひろこ)
- ベテラン大女優で、未緒の母を演じる。
- まだ新人だった頃に前作で未緒を演じ代表作となっていたため、当初はキョーコの演技に対して手厳しかった。
- 新しい美緒に対して激しく抗議するも、後に認めるようになる。
- 保津周平(ほづ しゅうへい)
- 俳優で、アメリカ在住。前作で嘉月を演じ、月籠りを伝説と化した立役者。
- 10巻で故人と思われていたが、実は渡米に際し行った、過去の自分(の実績)を葬り去る『生前葬』だった。
- 現在はハリウッドスター、クー・ヒズリ。
- ローリィの旧友で、蓮とは深い因縁があるらしい。
- 帰国にあたり、キョーコが世話係として差し向けられるが…?
[編集] その他
- 安芸祥子(あき しょうこ)
- 尚のマネージャーで、ダイナマイトバディの女性(尚は「ショーコさん」と呼んでいる)。
- 大学までは役者志望だったが、才能の限界に見切りを付け、大学も辞めたものの芸能界への想いを捨てきれず、マネージャーの道を選んだ。
- 自宅に尚が入り浸っているようだが、恋人同士というわけではない模様。
- だるまや夫婦 声優:岩崎柾実、長浜満里子
- キョーコが下宿している居酒屋の経営者夫妻。
- 腕の良い頑固な板前の大将と、包容力豊かなおかみさん。
- 芸能界への挑戦を諦めかけていたキョーコに、だるまを手渡して励ました。
- 尚の両親
- 京都で老舗旅館を営む、尚(松太郎)の両親でキョーコの(事実上)育ての親。
- 彼女の料理に対する腕前や、茶道をはじめとする立振舞は、主にこの人たちによる鍛錬のおかげ。
- しかし今のキョーコは、それに応え続けた事が「カラッポの自分」を作ってしまったと後悔している。
- キョーコには一人息子の松太郎と一緒になって家を継いで欲しいと望んでいた。
- 最上冴菜(もがみ さえな)
- キョーコの母。キョーコにとって最初で最大のトラウマとなる人物。
- 幼い娘を尚の両親にほとんど預けっぱなしにし、たまの来訪時にも冷たく接して本気で泣かせていた。
- そして尚は、本気で泣いているキョーコがトラウマとなっている。
- 松内瑠璃子(まつない るりこ)
- アイドル歌手、2~3巻のメインゲスト。
- 重度のわがまま故にキョーコの最初の「ターゲット」となり、出演映画のヒロインを賭けて競ううちに、忘れてしまっていたデビュー当時の「気持ち」を思い出す。
- 高園寺絵梨花(こうえんじ えりか)
- 高園寺財閥のお嬢様でアカトキ所属。5巻のメインゲスト。
- 小3の時に主役をさらわれて以来、奏江をライバル視し続け、あらゆる手段(実力も有るが、主に財力)で演劇関係への志望を妨害し続けてきた。
- キュララCMのオーディションにおいてキョーコと奏江のペアに完敗し、奏江と実力だけで競うことを決心する。
- 七倉美森(なのくら みもり)
- アカトキ所属の新人アイドル。7~8巻のサブゲスト。
- キョーコのクラスメイトで尚を慕っている(尚は「ポチリ」と犬扱い)。
- 尚のPVでキョーコと天使役で競演するが、尚との深い繋がりを垣間見せるキョーコに嫉妬するも、その演技力に引きずられてしまう。
- 麻生春樹(あさみ はるき)
- クィーンレコードのプロデューサ。7~8巻のサブゲスト。
- フェロモン系の女性。
- 尚とはデビュー当時からの係わり(尚は「ミルキちゃん」と呼んでいる)。
- キョーコの持つ雰囲気を読みとったり、演技上の問題点を的確に指摘したりと、相当に有能らしい。
- 啓文とは親友同士。
- 上杉飛鷹(うえすぎ ひおう)
- CM・ドラマなどで活躍する11歳の少年。9巻のメインゲスト。
- 芸能生活9年以上の大ベテラン。祖父母・両親共にスターという芸能一家に生まれ、それを傘に着た不遜な性格。
- また、実年齢よりいつも下に見られる事と芸歴の長さとのアンバランスから少々屈折してもいる。
- 奏江が初めて出たドラマで共演し、初対面で子ども扱いされなかった事から奏江に好意を持つ。
- が、そのあと撮影の際に投げられた事(奏江は遊んでいるつもりだった)を根に持って嫌がらせをしていた。
- 後に誤解が解け、仲直りをする。
- 罵倒する際の口癖は「再起不能だ!!」。
- レイノ
- バンド、VIE・GHOUL(ビー・グール)のボーカルで、15~16巻のメインゲスト。
- 「超」霊能力者で、怨キョをわしづかみにする、物陰のキョーコを真っ直ぐに追跡する、さらには蓮の記憶に感応するなど並はずれた異能を持っている。
- キョーコに執着して尚と蓮を大いに刺激し三角関係に影響を与えたのち、レコーディングでNYへ去る。
[編集] 単行本
- スキップ・ビート! 1 2002年07月19日発行 ISBN 4592178211
- スキップ・ビート! 2 2002年11月19日発行 ISBN 459217822X
- スキップ・ビート! 3 2003年03月19日発行 ISBN 4592178238
- スキップ・ビート! 4 2003年07月18日発行 ISBN 4592178246
- スキップ・ビート! 5 2003年10月17日発行 ISBN 4592178254
- スキップ・ビート! 6 2004年02月19日発行 ISBN 4592178262
- スキップ・ビート! 7 2004年07月16日発行 ISBN 4592178270
- スキップ・ビート! 8 2004年10月19日発行 ISBN 4592178289
- スキップ・ビート! 9 2005年02月18日発行 ISBN 4592178297
- スキップ・ビート!10 2005年06月17日発行 ISBN 4592178300
- スキップ・ビート!11 2005年10月19日発行 ISBN 4592178319
- スキップ・ビート!12 2006年02月17日発行 ISBN 4592178327
- スキップ・ビート!13 2006年06月19日発行 ISBN 4592178335
- スキップ・ビート!14 2006年10月19日発行 ISBN 4592178343
- スキップ・ビート!15 2007年02月19日発行 ISBN 4592178354
[編集] ドラマCD
- スキップ・ビート! ドラマCD 2002年9月26日発売