ソニック・ヘッジホッグ
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ソニック・ヘッジホッグ(Sonic hedgehog, SHH)は、ヘッジホッグ(HH)ファミリーに属する5種類のタンパク質の内の1つ。これをコーディングする遺伝子=ソニック・ヘッジホッグ遺伝子は、shhと小文字で表記する。このファミリーの他のタンパク質は、デザート・ヘッジホッグ(Desert Hedgehog,DHH)、インディアン・ヘッジホッグ(Indian Hedgehog,IHH)、エキドナ・ヘッジホッグ(Echidna Hedgehog,EHH)とティギーウィンクル・ヘッジホッグ(Tiggywinkle Hedgehog,TwHH)である。
ヘッジホッグ遺伝子(hh)は最初にエリック・ヴィーシャウス(Eric Wieschaus)とクリスティアーネ・ニュスライン=フォルハルト(Christiane Nüsslein-Volhard)の古典的なハイデルベルク・スクリーンにより同定されて、1978年に発表された。 2人が1995年のノーベル生理学・医学賞を得たこれらのスクリーニングで、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の胚の分節パターンをコントロールするこの遺伝子が同定された。hh遺伝子の機能を失った変異体の表現型の胚は小さな歯の様な突起物に覆われ、ヘッジホッグ(ハリネズミ)と呼ばれる所以である。
哺乳類には3種類の相同遺伝子があり、先に見つかった2種類、デザート及びインディアン・ヘッジホッグは実在するハリネズミの種類から命名された一方、ソニック・ヘッジホッグはセガ・ジェネシス(日本でのメガドライブ)のキャラクターのソニック・ザ・ヘッジホッグから名づけられた。後にゼブラフィッシュから見つかった2種類についての命名は、エキドナ・ヘッジホッグがハリモグラから、ティギーウィンクル・ヘッジホッグがビアトリクス・ポター作の絵本のキャラクター名から来ている。
これらの遺伝子から合成されるHHタンパク質相同体の中で、SHHは発生において最も重要なモルフォゲンとして、四肢や、脳脊髄正中線構造などの、多くの器官系のデザインを形成する役割がある。
ヒト・ソニック・ヘッジホッグ遺伝子の変異は、腹側正中線の欠失に起因する全前脳胞遺残症(HPE)を引きおこす。
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