ソーシャルワーカー
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ソーシャルワーカーとは、社会福祉事業に従事する人のこと。
[編集] 概要
社会福祉学を基に社会福祉援助技術を用いて社会的に支援を必要とする人とその環境に働きかける専門職。
従来、主として社会福祉事業に携わる人の総称として使用されてきたが「社会福祉士及び介護福祉士法」の制定により、現在では社会福祉士を指し示す場合が多くなっている。また、精神保健福祉領域においては「精神保健福祉士法」の制定により精神医学ソーシャルワーカーの国家資格として精神保健福祉士が位置付けられたため、社会福祉士及び精神保健福祉士の総称とも言える。
厳密には、社会福祉士はCertified Social Workerと英訳されるが、社会福祉士=ソーシャルワーカーとは言えない。 ソーシャルワーカーはその職に携わっている現任者を指すか、あるいは施設や病院などの組織が肩書きを付与するのに対し、社会福祉士は社会福祉士国家資格を持つ者を指す。社会福祉士資格は、現在は名称独占資格なので無資格者でもソーシャルワーカーと名乗っても現行の法律上においては罰せられることはない。しかし、今後は任用資格→業務独占資格と移行し、国家資格社会福祉士として質の向上はもちろんのこと地位の向上も必要である。
また、社会福祉大学院を卒業し、Master(Doctor) of Social Workを取得した者やソーシャルワークプラクティスを専門的に専攻した者を指す場合もある。なお、社会福祉の歴史を特に専攻した者もやはり同じようにMasterになってしまうため、ソーシャルワークプラクティスを専門的に学んだ者に限定されて使用されている場合もある。余談だが、医療機関に勤務しているソーシャルーワーカーを『MSW(Medical Social Worker )』と称するのは日本独自の呼称であり。『MSW』という単語自体は造語である。医療機関に勤務しているソーシャルーワーカーが仮に外国でI´m MSWと言っても、外国人にとっては社会福祉系大学院修了のソーシャルワーカーだと思うどころか、ただ単に社会福祉系大学院修了であることを威張っているだけだと勘違いしてしまう。
ソーシャルワーカーという肩書きは誰でも自称できるが、社会福祉士は実務経験ののち、あるいは養成機関を卒業したのち、国家試験に合格し登録した者のみ名乗ることができる。社会福祉士登録者は精神保健福祉士国家試験と介護支援専門員(ケアマネジャー)実務研修試験の試験科目の一部が免除となる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- NPO法人 日本ソーシャルワーカー協会-社会福祉士会結成の礎になった古くからあるソーシャルワーカーの職能団体
- 日本社会福祉教育学校連盟-社会福祉を専門とする学校の協議団体
- 社団法人 日本社会福祉士会-社会福祉士の専門職能団体
- 社団法人 日本医療社会事業協会-医療施設で従事するソーシャルワーカーの職能団体
- 社団法人 日本精神保健福祉士協会-精神保健福祉士の専門職能団体