タ弾
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タ弾
タ弾(ただん)とは、ナチス・ドイツの成形炸薬弾に関する技術供与によって陸軍・海軍共同で開発(陸軍が開発し海軍に融通した、陸軍が開発したものをベースにし海軍が独自のものを開発・使用した等、諸説あり)した空対空・空対地親子爆弾の名称。いわゆるクラスター爆弾の一種。主に戦闘機の翼下に懸吊する形で使用された。上記にあるようにドイツが技術供与したことから「ヒトラーの贈り物」とも呼ばれた。なお、海軍には内部に焼夷薬の入った鋼管を多数内蔵した三号爆弾なるものもあった。
タ弾の名称の由来は、対戦車用弾頭であったためその頭文字から略称として「タ弾」と呼ばれた説と、当時の成型炸薬弾が楕円型の弾頭であったことから「楕円弾」と呼ばれ、「ダ弾」と略し、それが訛って「タ弾」となったという説がある。
様々な形状があったが、もっとも基本的な構造は、六角柱形のコンテナ内部に400g成形炸薬爆弾を36発(30発説もある)または76発(50発、56発説あり)内蔵した30㎏弾と50㎏弾の2種があり、目標へ向かって投下した後に空中でコンテナが分解し、内蔵の子爆弾を飛散させて広範囲の敵にダメージを与えるというものであった。主に対爆撃機・対基地攻撃用に用いられ、陸軍では主にニューギニア方面・B-29による本土空襲の迎撃時に使用し、海軍では主にフィリピン・ラバウル方面やレイテ海戦等で使用し戦果を挙げた記録が残っている。
使用にあたっては、的確な位置に投下することさえできれば非常に有用な兵器であるが、近接信管を開発できなかった日本では、時限信管のみ使用していたため敵機の未来位置や弾道を予測した上で投下のタイミングを判断することが大切であり、自機を敵機・基地上空で機体高度・速度等一定に保たなければならないため、操縦者は非常に高い技術を要求された。
対爆撃機において使用する場合は敵機の上方1000m程度の位置を占位することが必須条件となるが、レーダーや照準器を使うわけではなく、極端な話「勘」に頼って投下する爆弾なだけにただでさえ攻撃を成功させることが難しい上、特にB-29が相手だと機体の能力差で上方占位が極めて困難であり、爆撃機が護衛戦闘機を引き連れてくるようになるとそれはさらに困難となり、投下以前の問題であるとして兵器自体の有効性に疑問が持たれ(陸軍航空審査部では効果のない兵器と位置づけている)序々に使用されなくなっていった。
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