チャールズ・キッテル
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チャールズ・キッテル(Charles Kittel、1916年-)は、固体物理学を専門とするアメリカの物理学者。1916年、アメリカのニューヨーク生まれ。1978年までカリフォルニア大学バークレー校の教授を務めた。現役時代は主に半導体の物性や、固体中での磁性の振る舞いといったテーマを中心に研究を行なってきた。また教育面についても熱心な活動を続けてきており、特にキッテルが著した固体物理学の初等的な入門書『固体物理学入門』は、関連分野の学生および研究者の間では非常に有名。キッテルは教授職を退いた今もこの本の改訂を続けている。現在、全米科学アカデミーおよびアメリカ芸術科学アカデミーのメンバー。
[編集] 背景
- 1916年(0才)、アメリカのニューヨークで生まれる。
- 1938年(22才)、イギリスのケンブリッジ大学を卒業。
- 1941年(25才)、キャベンディッシュ研究所在籍中に博士論文を執筆。ウィスコンシン大学から博士号を授与。
- 1945年(29才)から1947年(31才)まで、マサチューセッツ工科大学の研究員を務める。
- 1947年(31才)から1951年(35才)まで、アメリカのニュージャージー州にあるベル研究所の固体物理グループに所属。この時のキッテルの同僚には、ショックレーやバーディーンがいた。ショックレーは後に一回、バーディーンは二回、それぞれノーベル物理学賞を受賞している。
- 1951年(35才)から1978年(62才)まで、カリフォルニア大学バークレー校に勤務。
[編集] 受賞歴
- 1957年 Buckley Prize for solidly State Physics
- 1970年 Berkeley Distinguished Teacher Award
- 1972年 Oersted Medal, American Association of of Physics Teachers
[編集] 著書
固体物理学入門 - 固体物理学の入門者向けの定番の教科書。キッテルによって頻繁に改訂が重ねられており、内容の正確性に定評のあるシリーズ。現在は第8版。固体物理学に関わる人々の間ではよく知られた存在で、「キッテル」という言葉を聞くと、まずこの教科書のことを思い浮かべる人も多い。
- 『固体物理学入門(上) 第8版』 宇野 良清ら訳 丸善 2005年 ISBN 4621076531
- 『固体物理学入門(下) 第8版』 宇野 良清ら訳 丸善 2005年 ISBN 462107654X