チリクワガタ属
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?チリクワガタ属 | ||||||||||||||||||
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![]() チリクワガタ Chiasognathus granti |
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分類 | ||||||||||||||||||
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チリクワガタ属は昆虫綱甲虫目クワガタムシ科に属する分類群。6種が含まれる。南アメリカのチリとアルゼンチンに生息する。
[編集] 形態
大アゴは体長の半分をも占めるチリクワガタ以外ではそこまで長くはない。体表は金属光沢があるものもあるが、特に前翅では褐色のものも多い。腹面には白い毛密集し、ジュセリンチリクワガタではこの毛が全身に及んでいる。が頭部が極端に小さく、面積にして前胸背板の3分の1程。このため前胸背板も頭部に接続する側がすぼみ、全体として丘のようになっている。
大アゴが発達している割りに力がないのはホソアカクワガタ属などとも同様である。環境への適応力にも乏しい。高温に弱く、もともとの寿命も短いためすぐ死んでしまい、また幼虫も飼育が難しい。
[編集] 種類
- チリクワガタ Chiasognathus granti
- コガシラ(小頭)クワガタ、グラントチリクワガタ(学名から)とも。メタリックな輝きを持ち、前翅は銀白色、縁取りが朱色。大アゴは体長の半分をも占め、根元から先端まで細かい内歯が均等に何本も生える。この大アゴは上向きに伸びた後、途中で下向きになる。またこの長い大アゴと隣のところから、下向きに牙のような短いものが生えている。チャールズ・ダーウィンが南アメリカを訪問した際にこのクワガタムシに指を挟ませたが、意外にも力がなかったというエピソードが日記に残っており、「過剰適応」の例とされる。この話から「ダーウィン・ビートル」と呼ばれることもある。8cmになる本属最大種。
- ラトレイユチリクワガタ Chiasognathus latreillei
- チリに生息する。
- ショーエネマンチリクワガタ Chiasognathus schoenemanni
- チリ・アルゼンチンに生息する。
- ジュセリンチリクワガタ Chiasognathus jousselini
- チリに生息する。白い毛に覆われており、全体として灰色っぽく見える。この毛は大アゴや脚にも生えている。
- ベネッシュチリクワガタ Chiasognathus beneshi
- チリに生息する。前翅が栗色で、前胸背板と小楯板が黒くなる。
- ミニスゼッチチリクワガタ Chiasognathus mniszechii
- チリに生息する。ベネッシュチリクワガタと似通っている。