テトラヒドロフラン
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テトラヒドロフラン | |
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IUPAC名 | テトラヒドロフラン |
別名 | THF |
分子式 | C4H8O |
分子量 | 72.11 g/mol |
CAS登録番号 | [109-99-9] |
形状 | 無色透明の液体 |
相対蒸気密度 | 2.5(空気 = 1) |
融点 | −108.5 °C |
沸点 | 66 °C |
SMILES | C1CCCO1 |
出典 | 国際化学物質安全性カード |
テトラヒドロフラン (tetrahydrofuran, THF) は、飽和の5員環に酸素を1つ含んだ環状エーテル化合物である。芳香を持つ無色の液体である。別名テトラメチレンオキシド、オキソラン、オキサシクロペンタン。
自由に水と混和し、多くの有機化合物・高分子を溶解するので溶媒としてよく使用される。引火点が −17 ℃ と低いため、取り扱いには注意を要する。日本では消防法により危険物第四類(第一石油類 危険等級2 水溶性)に指定されている。
空気中の酸素と反応して徐々に過酸化物を生成するので、長期保存したものを蒸発乾固させることは危険である。市販品には酸化を防ぐため安定化剤を含むものがあるが、安定化剤除去・水分除去などの目的で蒸留精製する際にも蒸発乾固させてはいけない。
2004年、水にテトラヒドロフランを 0.1% ほど混ぜると、50 気圧、7 ℃ という非常に穏やかな条件で安定な水素ハイドレートが生成することが発表された(通常では −24 ℃・2000 気圧が必要)。これは、水素圧縮技術実用化の第一歩となる可能性がある[1]。
開環重合によるポリエーテル製造の原料となる。酸化により、γ-ブチロラクトンに変えられる。