フラン (化学)
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フラン | |
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IUPAC名 | フラン(許容慣用名) 1-オキサ-2,4-シクロペンタジエン(系統名) |
分子式 | C4H4O |
分子量 | 68.07 g/mol |
CAS登録番号 | [110-00-9] |
形状 | 無色液体 |
密度と相 | 0.936 g/cm3, 液体 |
融点 | −85.6 °C |
沸点 | 31.3 °C |
SMILES | C1=CC=CO1 |
出典 | ICSC |
フラン (Furan) は化学式 C4H4O の芳香族の環状エーテル。IUPAC命名法での系統名は1-オキサ2,4-シクロペンタジエンとなる。CAS登録番号は110-00-9。分子量68.07。
融点 −85.6 ℃、沸点 31.4 ℃の特異臭を持つ無色の液体で、空気中で褐変しやすい。引火点は-35℃で、発火しやすいので注意が必要。また、容易に重合反応を起こし、反応が暴走すると爆発の恐れがある。
フランの酸素原子は炭素原子と同じくsp2混成している。環平面に垂直なp軌道上に2つの電子を提供し、環平面内のsp2軌道上には1つの非共有電子対が存在する。この軌道上の2電子は6π電子系の形成に寄与している。
芳香族故に水素を別の基で置換した化合物が多数あり、このような化合物の母体として重要である。代表例としては、アルデヒド基が置換したフルフラール (C5H4O2)、ヒドロキシメチルフルフラール (C6H6O3) などが挙げられる。
フランは求電子置換反応を受けやすい。これはフランが双極性の共鳴混成構造を持つことによる。