デビルワールド
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デビルワールド(Devil World)は、1984年に任天堂から発売されたファミリーコンピュータ用のゲームソフト。
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[編集] 概要
プレイヤーはタマゴンを操作。縦横にめまぐるしくスクロールする迷路状のステージの壁に挟まれたり、ステージ上にいる敵キャラクターに追いつかれたりしないよう、細心の注意を払いながらステージのクリアを目指す。ナムコのゲーム『パックマン』の発展形とも呼べるシステムを持つアクションゲームである。
また、このゲームは2人同時プレイのシステムが採用されており、プレイヤー2人で協力しあいながら、時には妨害しあいながらプレイを楽しむことも可能となっている。
1984年の発売当時、任天堂はファミコン用ソフトの販売価格をそれまでの一律3,800円から4,500円へと引き上げている。そのため、このゲームには2つのバージョンのパッケージ(箱)が存在することが知られている。価格改定の理由は不明。ゲームの内容自体は両バージョンとも変わらない。
[編集] キャラクター
[編集] プレイヤーキャラクター
- タマゴン
- プレイヤーが操作するキャラクターで、その名の通り卵から孵り登場する子供の怪獣。1プレイヤーは緑色で、2プレイヤーは赤色となっている。敵に捕まったり、スクロールするステージの壁に挟まれたりすると1ミスとなる。
- 基本的には敵の追撃から逃げることしかできないが、ステージ内にある十字架やバイブルを手にすることで炎を吐くことができるようになる。敵に対する唯一の反撃方法はこの炎であり、これによって敵キャラクターのメダマンやボンボンを目玉焼きに変えることができる。そして、それを食べることで一時的にステージ内から消し去ってしまえる。また、炎はデビルのスクロール指示を反対方向に変えさせたい時にも使える。
- なお、タマゴンが卵から孵る時のサウンドエフェクト(コロッ、コロリという音)は、のちに任天堂が発売したゲームソフト『スーパーマリオワールド』において、ヨッシーが卵から孵る際の効果音にも用いられている。
[編集] 敵キャラクター
- メダマン
- ピンク色の体に大きな一つ目が付いた魔物。ステージ内でタマゴンを追いかける役割の者と、ローラーの操作や足踏みによってステージをスクロールさせる役割を担う者の二者に分かれている。
- ボンボン
- 茶色の体に大きな一つ目が付いた魔物で、目覚まし時計のようにも見える。メダマンよりも敏捷性が高く、復活も早い。
- 子デビル
- 倒すことは出来ないが、火炎放射により追い払う(進行方向を変える)ことができる。
- デビル
- 敵キャラクターたちの親玉で、デビルワールドを統べる存在。画面下に控えるメダマン2匹にステージのスクロール方向を指示する。
[編集] ラウンド
1ラウンドは3つの場面で構成されており、これを繰り返しながらゲームを進めて行く。ラウンドが進むごとに迷路の形状や色彩が変わったり、敵キャラクターも新手の者が現れたりと変化を見せる。画面は常に縦横4方向のいずれかにスクロールしている。
- 第1場面
- ステージ上にあるドット「ボワボワ」を全て消していくのが目的。通路上の十字架マークを通過する事で一定時間「十字架」を持つことができる。ボワボワは十字架を持っていないと消せない。時々画面上に現れてはステージの周囲をクルクルと回るソフトクリームを取るとボーナス点が入る。
- 第2場面
- 画面の四隅にある「バイブル」を拾い、これらをステージ中央に位置するデビルホールの4箇所の穴に一つずつセットしてデビルワールドの封印を目指す。封印が完了すると、敵の親玉であるデビルは小さなコウモリに変身し逃走する。
- ボーナス面
- ステージ上には「?」マークのついた箱が6つあり、うち1つの中に隠されている「卵」を取るとタマゴンの「自機」が1UPする。このステージのみ、通路上にある矢印を踏むことで画面を自在にスクロールさせることができ、また、ステージの壁に挟まれてミスとなってもタマゴンの自機は減らない。
なお、第1場面の開始音楽には、チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」の「行進曲」冒頭部分が使用されている。
[編集] 関連項目
- このゲームの中で、デビルワールドの画面が使用されているのを見ることができる。