デリンジャー現象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
デリンジャー現象(Dellinger phenomenon)とは、電離層になんらかの理由で異常が発生する事により起こる通信障害の事。短波障害(SWF: Short Wave Fadeout)、あるいは突発性電離層擾乱(SID: Sudden Ionospherric Disturbance)とも呼ばれる。多くの場合、持続時間は数分~2時間程度であるが、まれに数時間続く場合もある。
多くは太陽フレアが原因である。太陽フレアが発生すると太陽上で発生するX線や紫外線が急増し、それらが電離層に到達することで、電離層D層の電子密度が増加する。
通常、短波(3~30MHz)はD層を通過し、F層で反射されるが、この現象が発生すると電子密度が増大したD層で短波が吸収されるようになり、長距離通信が不能となる。短波よりも高い周波数の電波や中波などには影響は少ない。