太陽
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太陽![]() Sun |
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ようこうによるX線写真 | |
視等級 (V) | -26.8m |
発見 | |
発見方法 | 目視 |
位置 | |
距離 | 149,597,870 km |
軌道の性質 | |
惑星の数 | 8 |
銀河系を一周する時間 | 2.2 × 108 年 |
物理的性質 | |
直径 | 1,392,000 km |
表面積 | 6.09 × 1012 km2 |
体積 | 1.41 × 1027 m3 |
質量 | 1.9891 × 1030 kg |
平均密度 | 1411 kg m-3 |
表面重力 | 274 m s-2 |
自転周期 | 27日 6時間 36分(赤道) 28日 4時間 48分(緯度30°) |
絶対等級 (H) | 4.8m |
表面温度 | 5780 K |
中心温度 | 1.5 × 107 K |
コロナの温度 | 5 × 106 K |
輝度 (LS) | 3.827 × 1026 J s-1 |
地球との直径比 (dS/dE) | 109 |
地球との質量比 | 333,400 |
地球との相対密度 | 0.26 |
水との相対密度 | 1.409 |
相対表面重力 | 27.9 G |
光球の組成 | |
水素 | 73.46 % |
ヘリウム | 24.85 % |
酸素 | 0.77 % |
炭素 | 0.29 % |
鉄 | 0.16 % |
ネオン | 0.12 % |
窒素 | 0.09 % |
ケイ素 | 0.07 % |
マグネシウム | 0.05 % |
硫黄 | 0.04 % |
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太陽(たいよう、sun)は銀河系の恒星の一つで、太陽系の物理的中心である。天の川銀河の中心からの距離は約2万8千光年である。典型的な主系列星で、スペクトル型はG2V(黄色)である。推測年齢は約46億年で、主系列星として存在する期間の半分を経過しているものと考えられている。地球から太陽までの平均距離は約1億5000万kmである。この平均距離は地球太陽間距離の時間平均と考えても、地球の軌道長半径と考えてもどちらでも差し支えない。なお、地球から太陽までの平均距離の正確な値は1億4959万7870kmで、これを1天文単位(AU)と定義する。
また別の意味として、ある任意の惑星系の惑星から見てそれが周りをまわる中心の恒星を太陽と呼ぶことがある。
目次 |
[編集] 太陽の構造
太陽はほぼ完全な球体であり、その扁平率は0.01%以下である。太陽には、地球型惑星や衛星などと異なり、はっきりした表面が存在しない。
太陽は、中心核(コア)・輻射層・対流層(表面対流層)・光球・彩層・遷移層・コロナからなる。太陽の表面とは光球を指す。太陽半径を太陽中心から光球までの距離として定義する。光球には周囲よりも温度の低い太陽黒点と呼ばれる領域が存在することが多い。光球より上層の、光の透過性の高い部分を太陽大気と呼ぶ。太陽大気の上層部は太陽重力による束縛が弱いため、惑星間空間に漏れ出している。これを太陽風と呼ぶ。この、太陽風はオーロラの原因ともなる。
太陽は光球より内側が電磁波に対して不透明であるため、内部を電磁波によって直接垣間見ることができない。太陽内部についての知識は、太陽の大きさ、質量、総輻射量、表面組成・表面振動等の観測データを基にした理論解析によって得られる。理論解析においては、太陽内部の不透明度と熱核融合反応を量子力学により推定し、観測データによる制限を境界条件とした数値解析を行う。太陽中心部の温度、密度等はこのような解析によって得られたものである。
[編集] 核
太陽の中心は2,500億気圧、密度が1.56×105kg/m3(およそ水の150倍)、温度は1,500万Kに達し、熱核融合反応によって水素がヘリウムに変換されている。1秒当たりでは約3.6×1038個の陽子(水素原子核)がヘリウム原子核に変化しており、これによって1秒間に430万トンの質量が3.8×1026Jのエネルギー(TNT火薬換算で9.1×1016トンに相当する)に変換されている。このエネルギーの大部分はガンマ線に変わり、一部がニュートリノに変わる。ガンマ線は周囲のプラズマと相互作用しながら次第に「穏やかな」電磁波に変換され、数十万年かけて太陽表面にまで達し、宇宙空間に放出される。一方、ニュートリノは物質との反応率が非常に低いため、太陽内部で物質と相互作用することなく宇宙空間に放出される。それ故、太陽ニュートリノの観測は、現在の太陽中心部での熱核融合反応を知る有効な手段となっている。
太陽の中心核は熱核融合によって物質からエネルギーを取り出しているほとんど唯一の領域である。核の大きさは約0.2太陽半径である。
[編集] 輻射層
太陽半径の0.2倍から0.7倍までの層では、放射(輻射)による熱輸送を妨げるほどには物質の不透明度が大きくない。したがって、この領域では対流は起こらず、輻射による熱輸送によって中心核で生じたエネルギーが外側へ運ばれている。
[編集] 対流層
0.7太陽半径から1太陽半径までの層では、微量イオンが原因となって不透明度が増し、輻射によるエネルギー輸送よりも対流による輸送の方が効率が良くなる。
[編集] 光球
光球より下の層では太陽は電磁波に対して不透明になっている。光球より上では太陽光は散乱されることなく宇宙空間を直進する。光球の粒子密度は約1023個/m3である。これは地球大気の海面上での密度の約1%に相当する。光球よりも上の部分を総称して太陽大気と呼ぶ。太陽大気は電波から可視光線、ガンマ線に至る様々な波長の電磁波で観測可能である。太陽光のスペクトルは約6,000Kの黒体放射に近く、これに太陽大気の物質による吸収線(フラウンホーファー線)が多数乗っている。
光球の表面にはしばしば黒点と呼ばれる暗い斑点状の模様が現れる。黒点部分の温度は約4,000Kと周辺に比べて低いために黒く見える。
[編集] 低温層
光球から500kmほど上の領域は太陽で最も温度が低い層である。この領域の温度は約4,000Kで、太陽の中で一酸化炭素や水などの分子が存在できる唯一の場所である。これ以外の領域では温度が高すぎるため、分子の化学結合は全て切れてしまう。
[編集] 彩層
我々が見ることのできる太陽表面の上には厚さ約2,000kmの薄い層があり、この層から来る光には様々な輝線や吸収線が見られる。この領域を彩層と呼ぶ。皆既日食の始まりと終わりには紅色の彩層を見ることができる。
[編集] コロナ
コロナは太陽大気の外層である。コロナは太陽半径の10倍以上の距離まで広がっている。コロナからは太陽風が出ており、太陽系と太陽圏 (heliosphere) を満たしている。コロナの太陽表面に近い低層部分では、粒子の密度は1011個/m3 程度である。
[編集] 太陽活動
太陽内部の物質は極端な高温のために全てプラズマの状態にある。このため、太陽は赤道付近の方が高緯度の領域よりも速く自転している(赤道での自転周期は約25日、極近くでは約28日)。この太陽の差動回転のために、太陽の磁力線は時間とともにねじれていくことになる。ねじれて変形した磁力線はやがて磁場のループを作って太陽表面から外へ飛び出して、太陽黒点や紅炎(プロミネンス)を作ったり、フレアと呼ばれる爆発現象を引き起こしたりする。太陽活動のサイクルは、古い磁場が一方の極から引き剥がされてもう一方の極まで達する周期に対応している。太陽磁場は太陽黒点の11年周期ごとに一回反転する。
[編集] 太陽の謎
[編集] コロナ
太陽の表面温度は約6,000度であるのに対し、太陽を取り囲むコロナは約100万度という超高温であることが分かっているが、その原因は太陽の磁気エネルギーに関係していると思われる。これは太陽最大の謎とされており、コロナ加熱問題と呼ばれる。
[編集] ニュートリノ
太陽内部の核融合反応に伴って、太陽からはニュートリノが常時放出されている。しかし、地球上のニュートリノ観測で検出される太陽ニュートリノの数は、恒星内部の核反応の理論から予測される値の半分程度しかないことが分かっている。これは太陽ニュートリノ問題と呼ばれている。近年のスーパーカミオカンデなどによる精密な観測によって、この太陽ニュートリノ問題はニュートリノ振動と呼ばれる物理現象に起因するという説が有力になっている。
[編集] 太陽の歴史と未来
太陽は過去の超新星の残骸である星間物質から作られた第2世代の星であると考えられている。この根拠は主に、鉄や金、ウランといった重元素が太陽系に多く存在していることにある。なぜならば、これらの重元素の成因としては、質量の大きな高温の星の内部で元素合成によって作られるという過程が最も可能性が高いシナリオだからである。
中心核では熱核融合により水素原子4個がヘリウム原子1個に変換されるために圧力が僅かに下がり、それを補うために中心部は収縮し、温度が上がる。その結果核融合反応の効率が上昇し、明るさを増していく。45億年前(太陽誕生から1億年後)に主系列星の段階に入った太陽は、現在までに30%ほど明るさを増してきたとされている。今後も太陽は光度を増し続け、主系列段階の末期には現在の2倍ほど明るくなると予想されている。
我々の太陽は超新星爆発を起こすのに十分なほど質量が大きくない。最近の研究では太陽の主系列段階は約109億年続くとされており、63億年後には中心核で燃料となる水素が消費し尽くされ、中心核ではなくその周囲で水素の核融合が始まるとされる。その結果、重力により収縮しようとする力と核融合反応により膨張しようとする力のバランスが崩れ、太陽は膨張を開始して赤色巨星の段階に入る。外層は現在の170倍程度にまで膨張する一方、核融合反応の起きていない中心核は収縮を続ける。この時点で水星と金星は太陽に飲み込まれ、消滅しているだろうと予想されている。
76億年後には中心核の温度は約3億Kにまで上昇し、ヘリウムの燃焼が始まる。すると太陽は主系列時代のような力のバランスを取り戻し、現在の11~19倍程度にまで一旦小さくなる。しかし水素とヘリウムが2層構造で燃え続けるために燃費は悪く、その安定した時期は1億年程度しか続かない。やがて中心核がヘリウムの燃えかすである炭素や酸素で満たされると、水素とヘリウムの2層燃焼が外層部へと移動し、太陽は再び膨張を開始する。最終的に太陽は現在の200倍にまで巨大化し、膨張した外層は現在の地球軌道近くにまで達すると考えられるが、最近の研究では赤色巨星段階の初期に起こる質量放出によって惑星の公転軌道が外側に移動するため、地球が太陽に飲み込まれることはないだろうとされている。
赤色巨星の段階に続いて太陽は脈動変光星へと進化し、これによって外層の物質が放出されて惑星状星雲を作る。その後、太陽は白色矮星となり、何十億年にもわたってゆっくりと冷えていく。このシナリオは質量の小さな恒星の典型的な一生である。その意味で太陽は非常にありふれた星であると言える。
詳細は恒星進化論を参照のこと。
[編集] 太陽観測ミッション
地球大気などに遮られずに太陽の観測を行うため、1995年12月2日に ESA と NASA が共同で SOHO(太陽・太陽圏観測衛星)を打ち上げた。
光球の基本的な組成は分光観測によってよく知られているが、太陽内部の組成についてはあまりよく分かっていない。太陽風に含まれる粒子のサンプルリターンミッションであるジェネシスは、研究者が太陽の物質を直接測定することを目的に計画された。このミッションでは2004年に機体が地球に帰還し、サンプルの解析が現在も進行中だが、地球に再突入する際にパラシュートが正常に作動せず機体が地表に激突したために、サンプルの一部が損傷を受けた。
[編集] 文化における太陽
太陽神は世界の多くの神話・伝承などで最高神などとして描かれることが多く、崇拝の対象であることも多い。
太陽は日本では赤で描かれるが(日本の国旗)、ヨーロッパなどでは黄色もしくは金色で描かれることが多い。
俗に、荒淫の夜の翌朝は、太陽が黄色く見えるという。
[編集] 関連項目
[編集] 単位
[編集] 暦
[編集] 地球に及ぼす影響
[編集] 太陽表面の現象
[編集] その他
[編集] 参考文献
- 『ニュートン別冊 宇宙創造と惑星の誕生』 ISBN 4-315-51724-0
- 『ニュートン 2005年12月号』 雑誌07047-12
[編集] 外部リンク
- SOHO による現在の太陽のスナップショット
- NASA Eclipse homepage
- Nasa SOHO (Solar & Heliospheric Observatory) satellite (FAQ)
- NASA/Marshall Solar Physics website
太陽系 |
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