トウ
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トウ | ||||||||||||||
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トウ(籐、Calameae)は、ヤシ科トウ族に分類される約600種の植物の総称。トウ属など17属が含まれ、多くはつる植物である。英名のラタンはマレー語に由来する。家具や籠などの材料にされる。
[編集] 性質
アフリカやアジア、オーストラリアの熱帯域に分布する。トウの仲間の多くはココヤシやナツメヤシなどの他のヤシ科植物とはまったく異なる形状を持ち、幹は直径 2-5cm ほどの細いつる状で葉と葉の間隔が広く、他の植物の間を這い上って生長する。外見は竹にも似ているが、内部の構造や生長の仕方はまったく異なる。またトウにはトゲを持つものも多く、他の植物によじ登る際にかぎの役割を果たす。
トウに分類される属のうち、サゴヤシ属 Metroxylon やピガフェッタ属 Pigafetta、 ラフィア属 Raphia などは太く直立した幹をもつ。
[編集] 利用
籐は曲げに強く、丈夫な素材であるため、様々な用途に利用されている。細く切ったものを編んで家具や籠とするほか、樽板や輻、ステッキ、鞭などにも使用される。籐製の鞭はシンガポールやマレーシアなどで行われている鞭打ち刑や武術などで使用されている。
いくつかのトウの仲間では、果実から「竜の血」とも呼ばれる赤い樹脂が得られる。昔はこの樹脂には薬効があると考えられており、また木の染料として明るい桃色に染めるのに使われた。
[編集] 外部リンク
- Family and Genus Information in GRIN - トウ族に分類される属(英語)