トヨタ・クラウンセダン
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クラウンセダン (CROWN SEDAN) は、トヨタ自動車が生産するセダン型の乗用車である。
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[編集] 概要
先代は、150系トヨタ・クラウンがベースでロイヤルサルーンやパトカー仕様などが存在したが、2001年に登場した現行型ではトヨタ・クラウンとの結びつきは弱く、ベースがX80系トヨタ・マークIIセダンであるクラウンコンフォートの装備及び内外装を充実化したモデルという位置づけで、3ナンバー車の設定があることや、トヨタ自動車独自のマイルドハイブリッドシステム<THS-M>を搭載するグレードが用意されていることが主な相違点。形式名は、YXS10及び、GXS12、GBS12となる。主として公用車・社用車、ハイヤー、個人/法人タクシーといったビジネスユース向けのモデルだが、一般ユーザーも購入可能である。贅沢さはほとんど訴求されず信頼性の高さからくる業務執行能力の高さが訴求される。
[編集] 歴史
[編集] S80~100系(1974年~1979年)
- 1974年10月に登場。ハードトップの登場によりセダンとして登場する。
[編集] S110系(1979年~1983年)
- 1979年10月に登場。タクシースタンダード・スタンダードは丸目4灯、デラックス以上は角目4灯ライトだった。1981年のマイナーチェンジで異形2灯に変更された。(但しタクシースタンダード・スタンダードは丸型4灯)
[編集] S120系(1983年~1987年)
- 1983年9月に登場。スタンダードのみ丸目4灯ヘッドライトを採用しており、ロイヤルサルーンGが追加される。デラックス以上で木目調パネルが装備された。パトカー仕様は当初2800ccエンジンでスタンダードボディにワイドバンパーという有り得ないデザインだったが途中で角目2灯ライトに変更されている。
[編集] S130系(1987年~1995年)
[編集] 前期型
- 1987年登場。スタンダードのみ丸目4灯ヘッドライト、スタンダード・デラックスで銀バンパーを採用した。ドアモールはスーパーデラックスから装備。フェンダーエンブレムは130系の前期型まで装備された。
- ハードトップは3ナンバー車が専用設計されていたのに対し、セダンの3ナンバーは5ナンバーにワイドバンパーと太めのプロテクトモールを装着したのみなので、ハードトップとは全幅が異なる。
- 1989年マイナーチェンジ。4000ccのV8仕様がセダンにも設定された。6気筒LPGエンジンがM-Pから1G-GPに変更。4気筒LPGエンジンが3Y-Pから電子制御キャブレターの3Y-PEに変更される。
[編集] 後期型
- 1991年11月にハードトップは140系にモデルチェンジされたが、セダンはマイナーチェンジして継続生産された。このマイナーチェンジで丸みを帯びたデザインとなりこれまでのM型エンジンから140系ハードトップにも搭載されたJZエンジンに変更された。スタンダードにもフロントディスクブレーキとパワーステアリングが装備された。テールランプはスーパーデラックス(営業車)以上で80系マークII(ハードトップ)風のものが採用された。ハードトップのMT車は130系で消滅しているがセダンは150系前期型まで設定されていた。
- 1992年10月 セダンの5ナンバー車に2000スーパーサルーンエクストラが復活。
- 1993年8月一部変更。3ナンバー車はフロントグリルに4本のタテ線が入る。その他エアコンの代替フロン化、セダンのスタンダードは4気筒LPG車のみとなりフロアシフトのAT車が追加された。
[編集] S150系(1995年~2001年)
- 1995年12月150系にフルモデルチェンジ。全グレードエアバッグ(ガソリン車は運転席・助手席でLPG車、パトカーは運転席。LPG車はレスオプションもあり。)・ABSを標準装備する。スタンダード、デラックスなどの法人タクシー仕様はクラウンコンフォートに移行され廃止される。但し個人タクシー・ハイヤー向けの6気筒LPGエンジンは設定されていた(スーパーデラックス、ロイヤルサルーンのみ)。4WDも設定された。マークIIセダンが廃止されたことに伴いのパトカー仕様に2000ccが追加された。また、企業や官公庁向けに特化したスーパーデラックスDパッケージ(パワーウィンドウ=フロントのみ、プロテクトモール=装着せず、他)も存在していたが非常に数が少ない。ワゴン・バンは1999年の170系エステート登場まで130系が継続生産される。スーパーデラックスにはタコメーターがなかったがパトカーには装備されており事実上MT車で装備されるのはパトカー仕様のみである。
- この代のみトヨタテクノクラフトの特装車扱いでCNG車が設定された。
- 1997年マイナーチェンジで1JZ-GE(可変バルブタイミング機構)をVVT-i化
- 1998年1G-FEもVVT-i(可変バルブタイミング機構)化
- 1999年マイナーチェンジ。ディーゼルエンジン廃止と3000cc、2500cc、2000ccのパトカー仕様を除きMT車廃止。
- この代まで中国・中近東向け左ハンドル仕様が輸出されていた。
- この150系でMT車があるのは2000ccのみである(パトカー用を除く)、MT仕様は生産台数数百台とAT車に比べ流通数が少ない。
[編集] XS/BS10系(2001年~)
- 2001年現行モデル登場。ベースがX80型マークIIに変わり、2000ccのみとなる。途中で1G-GPEが廃止され4気筒LPGエンジン3Y-PE搭載のタクシー仕様も復活したがスーパーデラックス、スーパーサルーンなどハイグレードタクシー向けとなっている。また、1G-GPE搭載車に装着されていたTWINCAM24エンブレムは廃止された。型式は1G-FEはXS12、ハイブリッドはBS12、3Y-PEはXS10。パトカー仕様は170系ロイヤルに移行される。コンフォートシリーズとの相違点は横桟グリルとテールライトの大型化、サッシの黒枠化であり、内装も150クラウンセダンと同等のものになった。3Y-PEのみにバンパーを延長した3ナンバーモデルがある。
- 2002年スーパーデラックス・マイルドハイブリッド追加。1G-GPEを廃止し、LPGエンジンを3Y-PEに統一。これにより、都市部のタクシーのハイグレード化が進んだ。
- 2004年平成17年排出ガス規制に適合し、排ガス記号がTA-からABA-に変更される(ガソリン車はTA-のまま)。また、ヘッドライトマニュアルレべリング機構とサイドターンランプが標準装備される、ミッションは4ATのみだが、姉妹車のクラウンコンフォートにはコラム4MTの設定がある。
- スーパーデラックス・マイルドハイブリッドは宮城県知事の公用車である。2007年になってから宮崎県の公用車もセンチュリーから置き換えられた。これにより年間60万円の公費削減となる。
[編集] グレード
- スタンダード
- デラックス
- スーパーデラックス
- スーパーサルーン
- スーパーサルーンエクストラ
- ロイヤルサルーン
- ロイヤルサルーンG
現行型はスーパーデラックス、スーパーサルーンのみである。尚、ロイヤルサルーンはGXS10のみに一時期特別仕様で架装されて販売されたが、後に1Gエンジンとともに消滅している。スタンダード、デラックスは130系で消滅。スーパーサルーンは1991年10月消滅。他は150系で消滅。スーパーデラックスには木目調パネル、モケットシートを装備するGパッケージが設定される(スーパーデラックスマイルドハイブリッドの内装はGパッケージに準じる)。クラウンセダンの法人タクシーはほとんどこれである。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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