トロンハイム
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トロンハイム(Trondheim) はノルウェー中部に位置するノルウェー第3の都市。スール・トロンデラーグ県に属する。人口は154,351人(2004年1月)、面積341平方キロ。オーラヴ王が船出をしたと伝承される地で、ノルウェー王国最初の首都。トロンヘイムとも表記される。
市内には歴史的遺産が残されており、中でもオーラヴ2世(オーラヴ・ハラールソン、Olav Haraldsson)を祭るニーダロス大聖堂へは中世から巡礼が盛んに行われた。この町の最も重要なイベントとして、夏至の前後に聖オーラヴ祭(olavsfestdagene)が一週間ほど行われる。また、トロンハイムは国立大学やハイテク産業の研究所が集まる大学都市でもある。
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[編集] 歴史
997年、ヴァイキングの王であったオーラヴ1世(オーラヴ・トリグヴァソン、Olav Tryggvason)がニード川(Nidelven)の河口地帯に都を築くことを決め、ニーダロス(Nidaros、「ニードの河口」の意)がノルウェーの首都となった。
1030年、ノルウェーのキリスト教化に努めたオーラヴ2世が近郊のスティクレスター(Stiklestad)で殉教。葬られた後1年経って墓を開けてみたところ、死体が腐乱しておらず、髪と爪が伸びていたと言われる。このような伝説ゆえに彼は聖人に列せられ、その亡骸が移された聖オーラヴ教会の跡地にやがてニーダロス大聖堂(Nidarosdomen)が建立された。
ニーダロスは政治の中心地としての首都の座を1217年に失ったものの、ニーダロス大聖堂はノルウェー大司教座の所在地であり、11世紀から宗教改革までの時期を通じて、北ヨーロッパ最大の巡礼地であった。ノルウェー国王だけでなく、後のデンマーク・スウェーデン支配時代にもしばしばここで王の戴冠式が行われた。ノルウェーの中部に位置する港町であるため、通商・交易も発達していた。数々の大火を経て、延焼を防ぐ目的で現在の道幅の広い碁盤の目上の街並が作られた。トロンハイムは学術の中心地としても栄え、1760年に創設されたトロンハイム学会は、現在のノルウェー学術協会の母体ともなっている。
トロンハイム(Trondheim)という名称はデンマーク・スウェーデン支配時代のもので、1905年の独立後いったんは旧称ニーダロス(Nidaros)に戻そうという動きもあったが、近隣地域の住民の間でトロンハイムの人気が根強く、結局そのままになった。
[編集] 教育機関
- トロンハイム大学(NTNU)
[編集] 名所旧跡
- ニーダロス大聖堂(Nidarosdomen、ノルウェー最大の建築物)
- オラフ教会
- 国立装飾美術美術館
- トロンハイム美術協会
- 跳ね橋(Gamle Bybro)
- 音楽歴史博物館(Ringve Museum)
- クリスチャン要塞(Kristiansten fort)
- バックランネ(Bakklandet)
- 病院教会(Hospitalskirken)
- ムンク島(Munkholmen)
[編集] 関連項目
- ローゼンボリ - トロンハイムを本拠地とするサッカークラブチーム