ネイサン・メイアー・ロスチャイルド
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ネイサン・メイアー・ロスチャイルド(Nathan Mayer Rothschild 1777年9月16日 - 1836年7月28日)はドイツ出身のイギリスの銀行家。イギリスにおけるロスチャイルド財閥の祖。
マイアー・アムシェル・ロートシルトの息子としてフランクフルト・アム・マインに生まれる。ドイツ語読みではナータン・マイアー・ロートシルト。1798年、21歳のときマンチェスターに移住し、織物貿易と金融業で成功。のちロンドンへ移り、為替手形貿易で身代を築いた。
1816年、兄アムシェル・マイアーとザーロモン・マイアーがオーストリア皇帝から男爵の位を授けられ、貴族の称号であるvonやdeを名乗ることを許された。1818年にネイサンもまた叙爵されたが、貴族の称号を名乗ることを、彼自身はむしろ嫌っていた。見慣れぬ称号を名乗ることで、英国の隣人たちと距離が出来てしまうことを恐れていたと言われている。
[編集] 家系
1806年10月22日、ロンドンでハナ・ベアレント・コーエン(1783年 - 1850年)と結婚。次の子供を儲けた。
- シャーロット・ロスチャイルド(1807年 - 1859年)- アンゼルム・ザーロモン・フォン・ロートシルトと結婚
- ライオネル・ネイサン・ロスチャイルド(1808年 - 1879年)- ロンドン家
- ウォルター・ロスチャイルド (1868年-1937年) - 孫(ライオネル・ネイサンの子)、動物学者。
- アンソニー・ネイサン・ロスチャイルド(1810年 - 1876年)
- ナサニエル・ロスチャイルド(1812年 - 1870年)
- ハナ・メイアー・ロスチャイルド(1815年 - 1864年)
- メイアー・アムシェル・ロスチャイルド(1818年 - 1874年)
- ルーイーズ・ロスチャイルド(1820年 - 1894年)- マイアー・カール・フォン・ロートシルトと結婚
[編集] 事業
1808年から1814年にかけての半島戦争では、自らの国際的な商業ネットワークを利用して、イベリア半島出征中の大英帝国軍に軍資金を送った。1818年、プロイセン政府に500万ポンドを融通して債券を発行させ、自らの事業の礎を築いた。1825年から1826年にかけて、流動性危機を回避するために英国銀行へ充分な貨幣を供給し、ロンドンの金融街の大立者となった。
ロンドンで彼が設立した投資銀行N・M・ロスチャイルド&サンズは、今日なお存続している。感染性膿瘍で没。
彼の事業は、息子ライオネル・ネイサン・ロスチャイルドが引き継いだ。