ハイライト
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ハイライト (hi-lite) は、日本たばこ産業 (JT) が製造・販売するたばこの銘柄の一つ。
日本の大衆向けたばこの代表的な銘柄である。JTの前身である日本専売公社が1960年に発売して以来のロングセラー。
タール17mg、ニコチン1.4mg。香料にラム酒フレーバーを使用。はっかも少量使用し、キレのよい味に仕上げている。フィルター部分が非常に柔らかいのが特徴。
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[編集] 概要
日本初のロングサイズ (8.0cm)のタバコとして1960年に発売。当初からフィルター付きでフィルムパッケージも施されており、発売当時としては革新的なたばこであった。
それまでの大衆たばこの定番だった「しんせい」「いこい」に代わり、1960年代から1970年代にかけての人気銘柄となった。葉巻党だった元首相・吉田茂も晩年に吸っていた。1970年代の生活を描いた人気漫画『ちびまる子ちゃん』においても、主人公、さくらももこの父親であるさくらひろしがハイライトを愛飲していたことからも、高度経済成長期を象徴するアイテムであったことが伺えるが、その後市場の嗜好はさらに軽い味のセブンスター系に移行し、現在ではもっぱら高年齢層に好まれる銘柄となっている。
発売以来続くパッケージはコバルトブルーの地にhi-liteの白文字、上部には黒線8本が放射状にデザインされている。このブルーはハイライトブルーとも称された。デザインしたのは、のちに著名なイラストレーターとなった和田誠である。その後、企業や政府の宣伝広告を配したパッケージも登場した。
hi-liteと言うのは俗語で、「もっと陽の当たる場所」という意味。また、ロングサイズで当時最も軽い味のたばこであったので、high(長い)-light(軽い)という造語にしたという説もあるが、当時の専売公社のパンフレットから見るに前者が正しい。
- マールボロの日本国内生産は、フィリップモリスに対し、当時の専売公社がハイライトとの技術交換を提示して実現したという史実がある。
- 1964年開業の東海道新幹線電車の車体色は、当時、配色に頭を悩ませていた国鉄職員が、会議室でハイライトの箱を見て決めたと言われている。
[編集] 歴史・変遷
- 1960年(昭和35年)6月20日 - 発売。1960年当時はlongサイズ (8.0cm) で1箱70円にて発売されていたが、2006年現在ではkingサイズ (8.5cm) で1箱290円にて発売されている。
- 1968年(昭和43年) - ハイライトの売上が世界第1位になる。
- 1974年(昭和49年) - 当時の計測で、タール20mg、ニコチン1.6mg。
- 1975年(昭和50年) - タール19mg、ニコチン1.5mgに変更。
- 2003年(平成15年) - 国内煙草販売実績上位20銘柄でランキング19位に転落。
- 2004年(平成16年) - 国内上位20銘柄から姿を消す。
- 2006年(平成18年)7月1日 - 煙草税増税に際して1本1円値上し、290円に価格改定される。
[編集] 製品の展開
2006年現在、「ハイライト」の名称で販売されている製品は以下の2種類である。
- ハイライト
- 1960年に発売された本来の「ハイライト」。ただし前述の通り、大きさや成分には変動がある。
- ハイライト・メンソール
- 2004年(平成16年)1月7日発売。福岡県、佐賀県、長崎県で限定販売され、同年9月1日より東京都で先行発売、その後、同年10月25日より全国販売となった。
[編集] 販売を終了した製品
以下は、既に廃盤となったハイライト名義の製品である。
- ハイライトデラックス(黒) - 1967年(昭和42年)発売。
- ハイライトデラックス(茶) - 1968年(昭和43年)発売。
- ハイライトエキスポート - 1971年(昭和46年)発売。
- ハイライト(25本入り) - 1970(昭和45年)発売。大阪万博会場内の自販機用に作られた。自販機で釣銭を出さなくて済むようにするために、100円で25本入りにした。
- ハイライトマイルド - 1988年(昭和63年)3月20日発売。 2004年(平成16年)8月をもって製造中止。
- ハイライトウルトラマイルド(北海道限定) - 1999年(平成11年)6月2日発売。 2004年(平成16年)8月をもって製造中止。