ハチドリ
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?ハチドリ科 | ||||||||||||||||||
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ノドアカハチドリ |
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分類 | ||||||||||||||||||
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種 | ||||||||||||||||||
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ハチドリはハチドリ科に属する鳥の総称である。 鳥類の中で最も体が小さいグループであり、体重は2~20g程度である。 毎秒約55回、最高で約80回の高速ではばたき、空中で静止するホバリング飛翔を行う。
「ブンブン」とハチのような羽音を立てるため、ハチドリと名付けられた。英語でも、その羽音からハミングバード(Hummingbird)と呼ばれている。
北アメリカのトリニダード・トバゴの国鳥になっている。
[編集] 生態・形態
花の蜜を主食としており、ホバリングで空中で静止しながら、花の中にクチバシをさしこみ、 蜜を吸うという独特の食事の取り方をする。花の蜜を吸うためにクチバシは細長い形状をしている。そのため、昆虫であるスズメガが生息する地域では、成虫の動作が酷似するため、しばしば両者を見間違うことがある。 ある種のハチドリは特定の植物と密接な関係をもっている。
例えば、ヤリハシハチドリ Ensifera ensiferaのクチバシは非常に長く、 全長10cmを越えることもある。このような長いクチバシでないと、非常に長い花冠をもつ トケイソウの一種Passiflora mixtaの蜜を吸うことができない。 このように1対1のペアを形成することにより、ヤリハシハチドリは他のハチドリや昆虫との食料をめぐる競争を回避することができる。一方、Passiflora mixtaにとっては自分専用の花粉媒介者がいることで効率的に受粉することが可能である。このような双方にとっての利益があるため、特殊なペアが形成されたと考えられる。
同様な例として、90度近く湾曲したクチバシをもつカマハシハチドリ Eutoxeres aquilaと、バショウ科ヘリコニア属の花とのペアが挙げられる。
約112属320種のハチドリが北米から南米にかけて生息している。 キューバに生息するマメハチドリ Calypte helenaeは世界最小の鳥であり、全長6cm、体重2g弱しかない。
[編集] 分類
伝統的にハチドリ類は、アマツバメ目の下のハチドリ科に位置していた。ハチドリとアマツバメの形態的な類似度合を考慮した分類である。DNA解析によるSibley-Ahlquist鳥類分類ではハチドリ類は、ハチドリ目 Trochiliformes として独立の目として分類された。Wikipedia英語版でも、ハチドリ類を独立の目Trochiliformes(ハチドリ目)としている。
[編集] Clements鳥類分類
- ハチドリ目 Trochiliformes
- ハチドリ科 Trochilidae
カテゴリ: アマツバメ目 | トリニダード・トバゴ